司法書士のオシゴト

会社にかかわる登記を中心に素朴なギモンにお答えします♪ 

【メルマガ記事】株式交換 その6

2019年07月05日 | いろいろ

おはようございます♪

もともとの記事があるんだから、毎日更新も楽勝~!(^^)!。。。って思ってましたが、あれ???。。。。な感じ(~_~;)
一応、「第8回」までありますんで、それまでは毎日更新するつもりではあるんですが、ちょっとダメな日があったら、ごめんなさいっ!!m(__)m

。。。というわけで、昨日の続きでございます。
株式交換最終回!!

 

【第6回(2015.3.18)その3】

●特例有限会社

特例有限会社は吸収合併存続会社や吸収分割承継会社にはなれないこととされていますが、ある一定の条件をクリアすれば、特例有限会社のままで手続きを進めることができます(←詳しくは省略します。)。最終的には、株式会社に商号変更しなければなりませんけど、それは合併等の効力発生までで良いわけです。ところが、株式交換はこれらとは違い、手続が開始する前に株式会社への移行(=商号変更)が終わっていなければなりません。しかも、完全親会社、完全子会社のどちらも株式会社である必要がありますから、当事者に特例有限会社がある場合には要注意です。ただ、その代わりと言っては何ですが、スケジュールは大幅に短縮することができます。(かくいう私自身が、相当焦った経験がございます。)

 

●従業員持株会・種類株式

株式交換では「従業員持株会」が登場してくることがあります。従業員持株会自体は登記されませんから、日常的な業務では、「会社の株主名簿に従業員持株会が載っている」というくらいなのですけど、株式交換の場合には、従業員持株会の組成や、完全親会社と完全子会社の従業員持株会の合併(←厳密には合併ではなく、統合という感じです。)をするケースがあります。従業員持株会に関しては、非公開会社の実務上の運用等、正直、あまりよく分かりませんので、いつも四苦八苦しています。ただ、従業員に株式を持たせる会社は従業員持株会を導入するケースが増えていますから、組織再編を手掛ける場合は、これ、避けて通れないかも知れません(苦笑)。初めての方は、書式が載っている書籍もあるので、購入されると良いと思います(ネット上で公開されている書式は、あまり当てになりません。)。上場会社向けのガイドラインも参考にはなります。また、従業員持株会の法的性質はいくつか選択肢がありますが、現在は、民法上の組合が多いようです。では、なぜ、従業員持株会が増えているのか?まずは、株主の分散防止です。従業員が退職した場合などは、持株会も退会しますが、持分の払戻しは、(株式自体は持株会に残し)現金による、という仕組みになっているようです。従業員が個人株主であった場合、退職後は会社に敵対する株主になるケースもあるようですし、行方不明になったり、知らないうちに相続が発生していたり、と、株主管理がなかなか大変な模様です。それから、安定株主の確保という利点もあります。従業員持株会が会社提案の株主総会議案に反対するなんて心配はございませんのでね。さらに、事業承継(や相続税対策)の案件ですと、従業員持株会に種類株式がプラスされることも多くなっています。従業員持株会の株式は無議決権株式に変更してしまう、ということが多いです(代わりに配当優先株式にしたりします。)。同族会社のオーナーさんの持株比率は下がりますが、持株会の議決権を制限することによって、会社の支配権は維持できるというわけです。

 

●結び

だいぶ長くなりましたが、いかがでしたでしょうか?商業登記はほとんどやらない、という方には、チンプンカンプンだったかも知れませんね。株式交換は、合併や会社分割に比べるとシンプルではありますが、その代わり、痒いところに手が届くような実務書がありません。そのため、私自身、実際の案件を手掛ける中で、想定外の出来事に焦ったことも多々ありまして、機会があればご紹介したいなぁと思っていた次第です。というわけで、連載も残り少なくなってまいりました。ご感想などございましたら、直接でも構いませんので、是非お寄せくださいませ。ではまたっ!

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする