司法書士のオシゴト

会社にかかわる登記を中心に素朴なギモンにお答えします♪ 

【メルマガ記事】取締役の補欠・増員規定 その2

2019年07月16日 | いろいろ

 おはようございます♪

先週に引き続き、任期のオハナシでございます。

記事を読み返すと、「あ!あの話だっ!! 懐かし~なぁぁ~ (^^)」って思うんですけどね。。。しかし、まさに「その時」は、大わらわなのでして。。。
それにしても、いろいろ経験させていただいております。
ありがたいコトです。。。たぶん。。。(^^;)

ではどうぞ~♪

 

【第8回(2015.5.20)その2】


●補欠・増員規定のない会社(その2)

こちらは、現在、私の担当している会社でも数社ございますが、1年任期の会社では補欠・増員規定のない会社があります。まず、上場会社ですね。上場会社の場合、株主総会を開催するのは非常に面倒で、費用もかかりますから、よっぽどのことが無い限り、臨時株主総会は開催いたしません。ですから、取締役が任期途中で辞任したとしても、後任者を直ちに選任するなんてことはしないのです。つまり、取締役は常に定時株主総会で選任することが前提で、かつ、1年任期で定時株主総会では毎回取締役の改選をしますから、そもそも任期合わせをする必要がなく、定款に補欠・増員規定を置く意味がない、だから置かない、というわけです。それから、上場会社の子会社なんかも、補欠・増員規定を置かないことがあります。ちょっと失礼な言い方ですが、あんまり深く考えていなくって、単純に上場会社の定款規定や定款モデルを真似しちゃったのだろうなと思います。そういう会社が臨時株主総会で取締役を選任した場合、その取締役だけ任期がずれてしまうことがございます。会社としては、そんな事態を想定していないので、こちらから任期の説明をしますと結構驚かれます。具体的には、3月決算の会社が平成27年4月1日に取締役を選任した場合、その取締役は、平成28年3月31日終了の事業年度にかかる定時株主総会(平成28年6月開催)の終結をもって任期満了します。つまり、その人だけは、平成27年6月の定時株主総会で任期満了しないということになるのです。「そりゃ困るっ!」ってことで、選任決議の際に「選任された取締役の任期は平成27年3月31日終了の事業年度にかかる定時株主総会の終結までとする。」というような個別の任期短縮の決議を盛り込んだりする会社もあります。一方、定款どおりの任期で、定時株主総会では一部の取締役は改選しない(任期満了しないので仕方がないのですけど)会社もありますが、その取締役が代表取締役だったりしますと、当然のことながら代表取締役も改選がなく、取締役はほとんど改選されるのに代表取締役は改選されない、という、なんとも不思議な状況になってしまいます。このように、1年任期の会社だったとしても、事業年度の終了後、定時株主総会の前日までに臨時株主総会で選任される取締役の任期は1年ずれてしまいますから、やっぱり、補欠・増員規定は必要ではないでしょうか。

 

●補欠・増員規定の認知度

会社の担当者が交代したような場合、不思議な議事録が作られることがあります。傾向としては2つかな~と思います。1つは、任期が2年の会社が、取締役の改選期じゃないのに取締役全員の改選決議をしている議事録。もう1つは取締役の改選期なのに、一部の取締役だけ改選している議事録です。前者は、「そもそも任期を考えていなくて、昨年の議事録を真似した」というもの。担当者が見よう見まねで議事録を作成してみただけで、任期のことなんてまるっきり考えてなかった、というような感じです。ま、こういうのは、担当者も色々自覚がおありですんで、議事録は修正だらけになってしまいますけど、間違い方があまりに大胆なので大きな問題になることはないと思います。そして、もう一つは、補欠・増員規定を認識していなかった、というものです。これ、実は結構多くって、「取締役全員が改選ですよ。」と言うと、「何でっ!?どぉ~してっ!?」というような反応が返ってくることも珍しくありません。司法書士は、「補欠・増員規定はあって当たり前だから、普通は全員改選」という感覚なので、どちらかというと、今年は改選期なのか?が気になるのですが、会社側としては「任期は2年だから、今年任期満了する人だけ改選する。」と考えている担当者が相当数いらっしゃると感じています。もちろん、一度理解すればそれ以降は大丈夫ですけど、誤解したままだと、ちょっと困ったことになってしまいます。

 

オマケ: 書面決議のトコロでもお話ししましたが、最近では、上場子会社さんは書面決議がすごく増えてきていまして。。。さらに、「取締役会設置会社であること」に対するコダワリがずいぶん減っているような気がしています。
なので、取締役は1人か2人、という会社も珍しくなくなりつつあるのですけども。。。しかし、任期は1年だったりします。

これまでは、機関設計と任期は連動していたような気がするんですけどね~(^^;)
しかし、考えてみますと、任期というのは、機関設計というよりも、どういう属性のヒトが役員になっているのか。。。により決まるってことなんでしょう。

つまり、株主兼役員であれば、機関設計は簡易なモノで良く、さらに任期は長くて良い。
一方、役員が株主の使用人のような属性のヒトだった場合、株主の関与が強まるように取締役会を設置しない選択肢もある。。。ケド、取締役の任期は短く設定しておき、業績等を見つつ再任するかどうかを決める。。。という感じなのかな~と思います。

だんだんバリエーションが増えて、司法書士にとっては把握しておかなければならない情報が増えますけども。。。(◎_◎;)
頑張りましょう!

。。。というわけで、また明日~♪

コメント
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