司法書士のオシゴト

会社にかかわる登記を中心に素朴なギモンにお答えします♪ 

【メルマガ記事】株式交換 その4

2019年07月03日 | いろいろ

おはようございます♪

本日も株式交換でございます。

書いていたら結構長くなっちゃったんで、2回に分けました。
なので、ご挨拶から始まっております(^_^;)

では続きをどうぞ~♪

 

【第6回(2015.3.18)その1】

あっという間に3月になり、12月決算の会社の定時株主総会シーズンを迎えております。

3月というのは、4月1日の組織再編や会社の設立、4月1日付のグループ内の人事異動による役員変更の準備作業に加え、12月決算会社の定時株主総会にかかる変更登記もあり、毎年てんてこ舞いですよね。商業登記の場合は、4月中旬頃までは登記申請がありますし、やっと一段落する頃には6月の定時株主総会の準備が始まります。さらに、今年は2月の商業登記規則の改正、5月1日の会社法改正への対応も必要になりますからね(苦笑)。皆様頑張って参りましょう!では、今回も前回に引き続き、株式交換のお話しです。

 

●役員の兼任

組織再編一般に言えることですが、受託の際は、「定款」「登記事項証明書」「株主名簿」「計算書類」の4点セットを確認することになります。組織再編の案件は新規の会社であることも多いので、資料をいただきましたら、依頼された手続とは直接的に関係しない事項も含め、全般的な確認をしています。例えば、定款規定に誤りがないか(会社法対応の定款になっているかを含め)、役員の登記が正しく行われているか、というような点ですね。株式交換特有のチェックポイントとしては、役員の兼任状況です。株式交換完全親会社(以下、「完全親会社」といいます。)の監査役と株式交換完全子会社(以下、「完全子会社」といいます。)の取締役は兼任できませんが、株式交換の効力発生前は兼任できる(=兼任している)、というケースは結構多いのです。そのような場合は、株式交換の効力発生前に、予めどちらかの会社で役員の交代をしていただく必要がありますので、要注意です。

 

●自己株式

金庫株の解禁以来、自己株式を保有している会社は大変多いように思います。自己株式には株主総会での議決権がなく、株主総会議事録の作成等にも影響がありますが、一番の問題は、完全子会社が自己株式を保有している場合です。株式交換では、完全子会社が有する自己株式に対しても、完全親会社の株式が割り当てられてしまいます。結果、子会社が親会社株式を有することになるので、子会社としては可及的速やかに親会社株式を処分しなければならないわけです。したがって、これを回避するために、完全子会社は、通常、株式交換の効力が発生するまでに自己株式を消却いたします。また、完全親会社が自己株式を保有している場合には、前回も書きましたけれども、株式交換によって新株式を発行せずに自己株式を交付することもできます。自己株式を使う場合には登記が不要なので、司法書士としては何だか物足りない感じがしますが、自己株式を利用できる機会ってわりと少ないので、提案をしてみる必要はあると思います。

 

オマケ: 兼任禁止に引っかかる。。。(>_<)。。。本当に良くあるハナシです。
しかもね。。。会社では気づいてなかったっ(>_<)。。。というのも、良くあるハナシ。
。。。しかし。。。突然そんなコトを言われても、どうしよぉぉ~っ。。。!!。。。って感じになることも多いデス。

そこで、致し方なく取締役会の廃止に至ることもありますね(+ 監査役廃止)。
事業承継がらみのケースですと役員に就任できるヒトが多くはなくって、少ない中でヤリクリ(^^;)しているモノだから、困ってしまう。
誰でも良いってワケでもないですし。。。(^_^;)
司法書士サイドで注意しないと見落しの可能性がホントに高いんで、要注意でございます。

それから自己株式ね。
完全子会社の自己株式は、事前に消却すると考えておいて良いと思います。
。。。モンダイは相互保有。

共同株式移転で、例えば、完全子会社BCがお互いの株式を持ち合っている。。。って場合。
これ、事前に消却するわけにはいきませんよね。
じゃあ、わざわざ自己株式の取得の手続きをするかというと、それはそれで面倒くさい(^^;)

なので、そのケースだと、とりあえず株式交換は普通に実施しちゃいます。
結果、B社の持っているC社の株式にはA社(←完全親会社)の株式が割り当てられます。C社の持っているB社の株式にもA社の株式が割り当てられます。
つまり、株式交換をすると、完全子会社であるBCがA社の株主になってしまう。。。ってコトね。

こういうのも良くあるのですが、この場合には、BCが株式交換により割り当てられたAの株式をAに現物配当することが多いです。
株式交換したら株主はAだけになるので、株主総会の開催自体は簡単♪。。。でございます。

。。。で、場合によっては、Aは配当を受けた自己株式を消却いたします(=変更登記♪)。
そのまま持っている会社もありますが、消却する会社が多いような気がします。

。。。という感じで、株式交換は株式のパズルみたいなオシゴトでございます。

では、また明日♪

コメント
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