司法書士のオシゴト

会社にかかわる登記を中心に素朴なギモンにお答えします♪ 

不思議な機関設計

2012年03月27日 | 株主総会

おはようございます♪
今日は、「へぇぇ~。。。^^;」 と思ったこと、について。
ま、いつもながら、大したハナシではないんです。あまり期待せずお読みくださいまし♪

もう何年も前から色々とご依頼いただいているクライアントさんなのですが、担当換えがありまして、今年からワタクシメが担当することになったんです。
とにかく会社の数が多いモンで、まずは色んなリスト(会社情報だとか、開催日時だとか、議案などなど)をご準備いただき、それを確認してから議事録の作成に入ります(←ご担当者様がドラフトしてくださいますんで、ワタシはチェックするだけです)

会社の種類は、株式会社ばかりでもないんですけどね。。。ま、ほとんどは株式会社でして、ありがたいことに、株式会社の機関設計は、大体が「株主総会+取締役」なんです。しかも、取締役1人。
究極的にスッキリしていますよね。 なので、当然議事録もスッキリ!登記もスッキリ!!!

けれども、全部!というワケにはまいりませんで、数社、不思議な機関設計の会社がございます。
それは。。。「取締役+監査役+会計監査人」なんです。 取締役1人、監査役1人、会計監査人1人(1法人)です。
つまり、資本金5億円以上の大会社。大会社は会計監査人の設置が義務付けられていて、プラス、会計監査人設置会社の場合は、監査範囲を限定しない監査役を設置することが必須ですよね~。
こちらも、法律上強制された必要最低限、究極的にシンプルな大会社(非公開会社)の機関設計となっております。

しかし。。。珍しいでしょぉ~!?
会計監査人設置会社で取締役会が設置されていない会社、初めてです。
(そうそう、近年、監査役会設置会社は非常に少なくなりました。)

。。。でね、議事録をチェックしていて「あれっ?」っと思ったことがありました。
会計監査人設置会社の場合、計算書類は株主総会において、通常、「報告事項」になるものですが(ならない場合もありますが^^;)、この会社は「決議事項」になってます。しかも、その会社サン、昨年、大会社に移行したばっかしだったんで、「あらら。。。間違えてるよ。。。^^;」なぁ~んて思っていたんです。

ですけど、こんな機関設計は初めてなので、条文を確認したところ。。。

(会計監査人設置会社の特則)
第四百三十九条  会計監査人設置会社については、第四百三十六条第三項の承認を受けた計算書類が法令及び定款に従い株式会社の財産及び損益の状況を正しく表示しているものとして法務省令で定める要件に該当する場合には、前条第二項(※計算書類は株主総会の承認を受けなければならないってヤツです)の規定は、適用しない。この場合においては、取締役は、当該計算書類の内容を定時株主総会に報告しなければならない。
 
(計算書類等の監査等)
第四百三十六条  監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含み、会計監査人設置会社を除く。)においては、前条第二項の計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、法務省令で定めるところにより、監査役の監査を受けなければならない。
 会計監査人設置会社においては、次の各号に掲げるものは、法務省令で定めるところにより、当該各号に定める者の監査を受けなければならない。
 前条第二項の計算書類及びその附属明細書 監査役(委員会設置会社にあっては、監査委員会)及び会計監査人
 前条第二項の事業報告及びその附属明細書 監査役(委員会設置会社にあっては、監査委員会)
 取締役会設置会社においては、前条第二項の計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書(第一項又は前項の規定の適用がある場合にあっては、第一項又は前項の監査を受けたもの)は、取締役会の承認を受けなければならない。


↑ こういうことになっておりました^^;
つまり、会計監査人設置会社であっても、取締役会が設置されていない会社の場合は、会社法第439条の適用を受けないから、会計監査人が適法意見を出していたとしても、計算書類は、株主総会の承認を受けなければならないんですね~。
ま、考えてみれば、取締役会が設置されていない場合は、株主の監視権限が強くなるので、当然といえば当然なのかも知れません。。。が、何だか不思議な感じでした。

。。。というわけで、間違っていたのは、ワタシでした。 「これ、報告事項ですね♪」なんて言わなくて良かった。。。ホッ♪
会社法が施行されて何年も経つというのに、まだまだ勉強不足です。トホホ。。。(~_~;)

コメント
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