新技術は脱炭素に有効なのか
そのため、冒頭に述べたように製造業の現場にも疑問が渦巻いているのは確かである。
その最たる例が、電気自動車(EV)だ。日本はHEVで先行してきたが、欧州や中国の動きにみられるように、EVへの移行が既定路線として語られている。果たしてEVは本当に最適解なのだろうか。 「どこまでカーボンニュートラルに貢献するのか熟慮することなくEV推進に大きくシフトしている」─。日本総合研究所フェローの井熊均氏は、“EVバブル”とも言える状況に警鐘を鳴らす。
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2022/02/09
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本誌アンケートの自由意見にも、「ライフサイクル全体でEVはCO2を削減できるのか」「EVが増えたら電力の需給バランスはどうなるのか」などの声が集まった(表)。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/07/6c0bb1e5f8d0dcc700adc2b73b7ad97e.jpg)
表 脱炭素への疑問
日経ものづくりが実施した脱炭素の疑問に関するアンケート調査に485件の自由意見が寄せられた。その一部を抜粋。(出所:日経ものづくり) [画像のクリックで拡大表示]
再生可能エネルギー(再エネ)や水素もしかりである。FIT制度*2を背景に、太陽光発電や風力発電に対する期待は大きい。原理的にCO2を排出する火力発電や東日本大震災の記憶が残る原子力発電と比べ、クリーンで安全な電源であるのは間違いない。
*2 FIT制度
再生可能エネルギーで発電した電力を国が定める価格で電気事業者が買い取る制度。
一方、主力電源として再エネに期待できるのか不安に思う人も少なくない。「日本は地理的に導入量に限度があるのでは」「再エネだけでなく蓄電技術も必要」─。こちらも本誌アンケートに届いた本音だ。
長らく次世代のエネルギー媒体として研究されてきた水素にも疑問が募る。燃料電池自動車や水素還元製鉄などで近年さらに注目されるが、コストに加えて製造・輸送時のCO2排出といった課題がある。やはり本誌アンケートにも、「輸送を含めたコストを減らせるのか」「水素ステーションが足りない」といった声が寄せられている。
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2022/02/03
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「脱炭素の理念は分かるが話が急すぎる」─。取材で会った鉄鋼メーカーのプラント技術者はこう心境を吐露した。
とはいえ、持続可能な社会を目指す上で、CO2の削減自体は避けられない課題である。技術競争も激しさを増すばかり。既に、太陽光パネルやEVの生産量では、中国が日本を圧倒している。実のある脱炭素で商機をつかむためにも、関連市場と技術の動向を冷静に見極める必要がある。
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01936/00001/
きっかけは菅義偉(元)首相の2020.10.26に所信表明演説であった。もともとは安倍晋三前首相時代から準備が進められていたものであった、と言われている。
ネタに困っていた菅首相の「所信表明演説」の第七項に組み込まれたものであった。
公明党からの後押しもあったやに聞く。しかも環境対策は世界の潮流となっていたから、ある意味当然の帰結でもあった、と言っても過言ではなかろう。だから安倍首相時代から準備されていたのである。
第七項
気候変動対策や環境・エネルギーに関する課題への取り組みを加速化させ、エネルギーの安定供給と、持続可能で強靭な脱炭素社会の構築に努める。
と言うものであった。
当然世界各国からは称賛を浴びている。最大の温室効果ガス排出国の中国は、2060年が目標であり日本はそれよりも10年も早い2050年に、カーボンゼロを(実質的に)達成しようというものであった。
世界は日本を褒めるよりも、中国の2060年CN(カーボンニュートラル)を責めるべきである。中国はその技術も資金もあるにも拘らず、2060年までの長きにわたってCO2を垂れ流ししてゆこうとしているからだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/08/dbb08d1a0252591cdb4b337ce8159164.jpg)
画像のクリックで拡大表示
「気候変動対策を加速」「脱炭素社会の構築」が明記されている政権合意
9月15日に締結された自民党と公明党の政権合意文書
https://project.nikkeibp.co.jp/energy/atcl/19/feature/00001/00036/
(続く)
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