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次世代エネルギーと社会実験

2012-01-22 | 平和・人権・環境・自治制度

 21日東海自治体問題研究所の連続講座で、岐阜県商工労働部の江崎さんから「次世代エネルギーインフラの構築」の話を聞くことができました。全体の現状からの問題意識と実践的評価で、わかりやすく有意義な話でした。場所が港湾会館で久しぶり行ったのですが、建物が有りませんでした。なんと新築して場所が変わっていました。地下鉄だと津波の危険性を心配して車で行きましたが、高速代が片道800円、駐車場代が800円でした。帰りは23号線で、同じ1時間程で帰れました。話の概要は以下のとおりです。
 GDPの伸びが生活に連動し、中国はこれを落とせないこと、ここでは日本のGDPが止まっていることに触れていませんでした。石油、天然ガス、石炭、ウランの可採年数の話、エネルギー自給率で日本は4%、ドイツは原発0にしてもフランスから電力購入のこと、現実は化石燃料のウエイトが高いとのことです。石油価格の変動は、メジャーの時代、OPECの時代、マーケットの時代、構造変化の時代と区分され、アメリカのイラク戦争の原因そして投機は納得のいく話でした。再生可能エネルギーは割合が少なく、開発には時間とお金がかかること、電力は安定的に貯められないこと、メガソーラ、風力は採算ベースに乗らないこと、電力会社との買い取りが前提になっていることなど現状の問題点を指摘されました。小水力はゴミがつまるなど維持管理の大変なこと、ペレットは企業が儲け災害に弱いことなど納得しました。部門別電力使用量では産業が半分、残りのその半分が住生活部門です。住生活部門は取り組みやすいから、ここに力点を置くという話でした。(CO2排出も産業部門が多く、同じような傾向ですが、この部門を避けて通れないと思います。)
 岐阜県のエネルギー政策の基本方針は、不安定な自然エネルギーを効果的に活用するために、利用実態を把握する。災害時に活かせる小規模需要単位を基本とする。過剰な期待はせずに、実証実験に基づく実効性を検証することでした。そして、省エネ対策を重視、複数のエネルギーのベストミックス、コストメリットを考えた技術の導入でした。(宮古島のメガソーラと風力の効率実験で、大企業への多額な補助金は効果がなさそうです。)5つのプロジェクトの1つ住宅の実験例では、住宅に太陽光発電、バッテリー、給湯装置、燃料電池、電気自動車の組み合わせで効果を挙げているとのことです。省エネ設計で消費エネルギーは2/3に、燃料電池でランニングコストは1/18とのことです。
 同じようなものをこれから、旧加茂病院の跡地に豊田市が作るのだそうですが、2番煎じのような気がします。豊田市の低炭素社会モデル地区調査報告書を一読しました。それはPHVとトヨタ住宅のスマートグリッドの実験で、国際競争力(韓国、中国)に負けないための都市実験のようにもみえます。大手だけでなく中小企業の自立型産業の育成は可能か、地域資源の地元材の利用は、CO2と省エネとの関係、電気から自然エネルギーの転換、薪ストーブや菜種などの取り組み支援などの方向が見えません。技術の専門性が高い車産業の新技術戦略に、自治体が追随しているのが精一杯というところでしょうか。産業構造と都市構造の分析と環境政策・環境アセスメントの基本戦略が欠けているように思えます。(写真は港湾会館入り口から港です。大きな船が停泊していました。)
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