Con Gas, Sin Hielo

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「レディプレイヤー1」

2018年04月30日 20時11分49秒 | 映画(2018)
80年代は未来への出発点。


確か報道番組では、昨年がVR元年と言っていた記憶がある。それをさっそく娯楽大作の題材に取り入れてしまうのだからS.スピルバーグ監督はまだまだ感覚が若い。

2045年の世界。人々は希望をなかなか持つことができず、カリスマ実業家のハリデーが創り出した仮想世界「オアシス」の中で望みをかなえることに没頭していた。ハリデーが死去し、彼の遺言により莫大な遺産と「オアシス」の経営権を賭けた巨大なゲームが繰り広げられる、というのが大まかな映画のストーリーだ。

ゲームの謎解きに絡めた物語の展開は少し難解だったり強引だったりするのだが、それを補って余りある本作の魅力は、スピード感と迫力に満ちたVR世界の映像と、全篇に散りばめられた音楽・映画・ゲームの小ネタである。

特に、近未来が舞台であるにも拘らず、すべての文化の起源は80年代にあり、と言わんばかりのオンパレードには心踊らされた。

冒頭から80年代どまんなかのVAN HALENである。映画なら「バックトゥザフューチャー」「シャイニング」、コンピューターゲームが爆発的にヒットしたのも80年代。まさに景気良く文化の花が開いていった時代である。

現代と違ってアジア圏のトップランナーは日本だったから、主人公とともにプレイする仲間にも日本人がいる。機動戦士ガンダムももちろん80年代を代表する文化だ(放映開始は79年らしいが)。

そのガンダムはメカゴジラと戦い、アイアンジャイアントも参戦。レースゲームの舞台にはキングコングが立ちはだかる。VRだからこそのやりたい放題感がすごい。

踏みつぶされても、吹き飛ばされても、バーチャルのライフやコインを失うだけなので残酷性も薄まる。それでいながら、「オアシス」の経営権を巡っては、現実社会でも命を懸けたスリリングな争いが展開される。

バーチャルと現実を目まぐるしく行き来しながら、散らかることなくクライマックスへ盛り上げていく演出は巧みだ。すべてをクリアした後で、主人公のアバターが、アバターではないハリデー氏と穏やかに語り合う場面も印象的だ。

「ジュラシックワールド」の大ヒットがMX4Dの普及に一役買ったときもそうだったが、スピルバーグ印の作品は映画館で映画を観る楽しさを追求しているところがいい。本作も間違いなくその系譜にある。

(85点)
コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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Unknown (風子)
2018-05-15 22:22:03
スクリーンで見るべき映画ですよねえ。
日本のキャラ満載で、テンション上がりました。
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娯楽の殿堂 (クラム)
2018-05-23 23:45:03
風子さん、こんばんは。

お祭り感満載で楽しい映画でした。
世界に通じるキャラがたくさんいるというのは誇らしいことです。
返信する

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