Con Gas, Sin Hielo

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「グリンチ」

2018年12月15日 21時08分39秒 | 映画(2018)
突然のクリスマス激押し。


2018年もゴールが見えてきた中で一年を振り返ってみると、今年もトランプ大統領に振り回されっ放しだったというのが正直なところ。

有名な彼のスローガンが"Make America Great Again"である。かつてのアメリカをもう一度。昔を懐かしむ人からすれば「古き良きアメリカ」を取り戻すということだ。

クリスマスもその一つの象徴であった。政治とどれほど繋がりがあるかは確かではないが、ポリティカルコレクトネスが声高に叫ばれるようになるとともに、キリスト教徒以外の人々に配慮して「メリークリスマス」は「ハッピーホリデイ」に代わった。

トランプ大統領は当然この流れにも反対で「メリークリスマス」の復活を強く訴えている。他の宗教の信者がクリスマスで傷つき損害を受けているということが確認できないかぎり、これは一般的にも受け入れられやすいのではないかと思っている。

グリンチは幼いころを独りぼっちで過ごしたため、特に周りが賑やかで幸せそうなクリスマスに怨念とも言える嫌悪感を抱いている。

おそらくその気持ちに共感する人は少なくないだろう。特にわが国でバブル期に恋人のいないクリスマスを送ったことのある男性たちは、「何がクリスマスだ」と強がりを言った経験が一度はあるはずだ。

ポリティカルコレクトネスに沿うならば、グリンチの主張に賛同する町の者が現れることで彼の心を和らげる展開になるだろうけれど、本作は原作どおりに彼が改心して盗んだクリスマスを返すことになる。しかもご丁寧に「小さかったハートが3倍に大きくなった」との説明付きで。

トランプ政権になってクリスマスは本当に復権したのかもしれない。Billboard Hot100では、12月に入ったばかりの時点で往年の数々のクリスマスソングがチャートの上位に入ってきている。

表と裏がある国だし今後どうなるかは分からないが、2018年のクリスマスがお祝い気分だということは伝わってきた。

上で述べているとおりストーリーに新味があるわけではない。極めて凡庸とさえ言えるのだが、そこは勢いのあるイルミネーションの作品である。

クリスマスを祝う町の色調の鮮やかさ、キャラクターたちの豊かなでユニークな表情、そしてそりが冬の町を滑走するときの躍動感。十分見応えがあるし、楽しい気分にさせてくれる。

特にグリンチの愛犬・マックスのかわいさとけなげさには抗する術がなかった。まさに家族で安心して観られるホリデイ・・・いや、クリスマスムービーである。

(75点)
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