Con Gas, Sin Hielo

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「ドクターストレンジ/マルチバースオブマッドネス」

2022年05月05日 19時05分35秒 | 映画(2022)
超人たちがザコキャラになってる異界があるらしい。


「スパイダーマン:ノーウエイホーム」で描かれ始めたマルチバースの世界。指南役として登場したドクターストレンジを中心とする物語が満を持しての公開を迎えた。

聞いた瞬間は複雑なイメージを受けるマルチバースであるが、よく考えれば、これまでのアベンジャーズのドラマも、それぞれのキャラクターが活躍する別の世界を結び付けたものであり、違いといえば、異なる世界の中に別の自分が生きているという点だけとも言えるわけで、時空を超える話よりもタイムパラドックスに縛られない分自由度が高いかもしれないと思うようになった。

実際、今回の見どころは、登場人物が異界に生きる自分と対峙する場面であり、それは何度も登場する。タイムスリップものならタブーである「自分VS自分」も、ベースが同じ人間でも環境によって性格は変わるので何の矛盾もなく描けるのである。

物語の鍵を握るのは、マルチバースを行き来する能力を持つアメリカという名の少女。彼女は、身の危険が迫ると突然知らない世界へ飛ぶ、というか飛ばされてしまう。

その能力に目を付けた敵役は、ある世界で解決できない問題も、どこか別の世界ならば対処法を見つけられるかもしれないという理屈で、最強の能力を手に入れようと彼女を襲いに来る。

飛ばされた異界で常に彼女を護るのがドクターストレンジである。しかし、ある異界でストレンジは彼女を裏切り護ることに失敗する。それを夢の形で知らされた「主人公の」ストレンジ。現実に飛ばされてきた彼女を何とか護るために、禁断の異界渡りの冒険の扉を開く。

パラドックスのタブーがないとは言え物語が複雑になることは間違いなく、この世界観をいかに違和感なく落とし込んでいくかがこの映画の最も大きいノルマであったが、引っ掛かりはほぼなく理解することができた。

映画の構成上、主人公のストレンジが暮らす世界(616という番号が付いていたかな)が別の異界をパワーで圧倒する描写があったのはご都合主義的ではあったが、まあ許容範囲か。

異界でゾンビになるストレンジをはじめ、至る場面でホラー映画のような演出が見られたが、本作の監督はS.ライミ。やっぱり好きなんだと実感。

ストレンジもスカーレットウィッチもいろいろな顔を見せたが、R.マクアダムス演じるクリスティーンは引き続き、永遠に結ばれない可憐なヒロインに終始。これからも良き理解者としてストレンジが道を外さないよう見守っていくのだろう。ポストクレジットの展開は若干気になったが。

(80点)
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