オリンピックの時期にメダルの数よりに気になって気になって仕方がないニュースが飛び込んできた。
2024年7月27日 平出和也と中島健郎によるK2西壁未踏峰チャレンジ
両名の滑落という事故の一報。
なにもやることがない土曜日
昼寝しつつ、見るものがないといいながらもつけっぱなしの TV のチェンネルをパチパチとかえつついつの間にかにガン見してしまうその視線の先の平出さん。
世界でも指折りのアルパインスタイルのクライマー。
山登りというよりは岩にへばりつきにいってるんじゃないかと思うくらい過酷な山登りスタイルで未踏破ルートを切り開くアルパインストである。
時にミノムシのように揺られながら絶壁で一晩をすごし、山を下りれば数々の死線をくぐりぬけたとも思えないほどの穏やかさで山について語る姿はもう後光がさす修行僧である。
仏教でも大阿闍梨になるためには山の中をひたすら走り回るのだから、あんな過酷な山に登っていれば悟りもひらけてしまうのだろう。
凡人中の凡人、凡人のお手本みたいなあたしなんかは雄大な自然に感動することもなく、よ
くもまあという思いでTVをみつめているのだけど、否、好んで見ているこれは平たく言うとかなり興味ありで、好きなのは怖いもの見たさを超えた崇高さや畏怖の念を感じるからなんだろうと思いたい。
谷口ケイさんの転落事故や無謀といわれた栗木さんの挑戦の結末をググってしまうほどだから。
今回の平出さんと中島さんお二人の挑戦はもちろん知らなかったけど無事に帰還されていればまたNHKのドキュメンタリーでみることができたであろう幻のK2登攀。
現在いる場所はわかっていながら、手の届かない場所とはどんなところであろうか。
毎度、死なないで帰ってきてることの方が奇跡に近いのだろうけど、奇跡を奇跡とさせない実力と体力と精神力をもって数々の偉業を達成させてきた二人がK2に眠る。
日常には存在しないひりひりとした緊張感と高揚感にとりつかれてしまうのだとしたらK2とはもう麻薬だな。
ランナーズハイならぬクライマーズハイ。
経験した人にしかわからないなにか。
それならいっそK2に眠れ
虜になったK2に抱かれて眠っていると思えば少しは消化できるのかな。
現状あたしは消化できてないけど。
「いやあ、今回は大変でした」といいながら帰ってきて、また次の挑戦に胸を躍らすのであればK2に眠れ。そうでなければ戻ってこい!
昨日、ついに石井スポーツから重要なお知らせとしてK2西壁遠征 最終の報告がリリースされた。
自分では見ることのできないすごい世界を沢山見せていただいたことに感謝しつつ、改めてK2に抱かれて眠れと思うのです。
それでもまだふらふらになりながらも戻ってくるような気もしてるんですよねあの2人ならと。
挑戦に敬意を表して。