原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

良好な人間関係を築く基本とは「知恵」と「マナー」

2014年07月14日 | 人間関係
 朝日新聞よりの引用が続くが、7月12日別刷「be」“悩みのるつぼ”の回答者であられる三輪明宏氏のご回答内容に100%賛同申し上げるため、今回のエッセイ表題は三輪氏の回答より引用させて頂いた。

 それでは早速、40代女性よりの 「年上の人とうまくいきません」 なる相談内容を以下に要約して紹介しよう。

 三輪明宏氏が大好きだ。 言葉が上品で優しくて素敵だ。 どうか三輪さん教えて下さい。
 私の悩みは職場と近所との人間関係である。 私は人と接するのが苦手だが、特にいつも失敗するのが年上の女性との関係である。  パートの仕事上でも、どうも上司である女性に対して尊敬出来ないと判断すると自分の心を閉ざしてしまうようだ。 他の従業員は上手く上司のハートをつかんでいるにもかかわらず、私には不可能だったためその仕事は辞めた。
 近所の60ぐらいの人にも旅行帰り手土産を持っていかなかった事で、私は仲間外れにされている。
 頭の片隅には、「出来れば(人間関係を)上手くやりたい」との思いは常にあるが、相手に魅力を感じないと億劫になってしまう。 どうすればよいか?
 (以上、朝日新聞“悩みのるつぼ”相談より、要約して引用。)

 一旦、原左都子の私論に入ろう。

 何と申しましょうか。 この相談を読んで私の脳裏に真っ先に過ったのは、相談者ご本人の“歪み切った”心理状態でしかない。
 この相談者が如何なる人生を歩み、如何なる社会的業績を上げて来られかに関しては全く不明であるものの、どうやら現時点ではパート勤務を失業し、近隣関係も上手く機能していない状況であるようだ。
 それはそうとして、相談女性が何処の地域にお住いなのかがこの相談に於いて大いなるネックとなりそうにも考察する。 例えば地方過疎地にお住まいの場合、今尚その地域では特に高齢者間の人間関係が濃厚に機能している事であろう。 その中で疎外感を感じているとするならば、事は重大であるのかもしれない。


 ここで、原左都子の私事を語らせて頂こう。

 私の場合、この相談者とは対極の人格を築きつつ生きているようだ。
 年上女性に対して私は「甘え上手」と表現するべきか、とにかく年上の女性達から大事に思って頂いて、末永くお付き合いが続行する経験を幾度も積んできている。

 私自身の人生に於ける「腹心の友」(“尊敬するべき先輩”と表現するべきだが)に関して語るならば、2名の年上女性が挙げられるかもしれない。

 その一人は、新卒で上京し就職した民間企業の直属の女性上司氏である。 この方からは出会って30数年経過した後に至って「原左都子エッセイ集」へコメントを頂いているし、現在尚毎年年賀状にてのお付き合いを続行中だ。
 そしてもう一人の「腹心の友」にも職場にて知り合った。 お互いに(適齢期を過ぎた)独身同志との立場が一番の理由で意気投合し、職場帰りには必ず彼女の自宅や居酒屋等で夕食を共にした。 ところが実に無念ながら、その彼女が60代にしてくも膜下出血にて突然死したとの連絡を受けた時には、我が今後の人生の一分野における生き様を喪失した感覚に囚われる程の衝撃を感じたものだ…

 今となっては我が人世に於ける「腹心の友」を亡くし寂しい現状の私だ。
 それでも現在尚年上の女性対応は得意分野であり、都心にしてご近所の高齢女性達とのお付き合いが上手く機能している。


 それでは、今回の“悩みのるつぼ”回答者であられる 三輪明宏氏の回答を以下に要約して紹介しよう。
 
 その前に少しだけ我が見解を述べる。
 今回の相談のように、相談者より「回答者氏のファンです!」「〇〇氏にこそ、我が相談に応えて欲しい。」なる要望がある場合、相談者に“迎合”するかのような回答が回答者氏より展開する事を、私は幾度か経験し辟易としていた。
 ところが三輪氏よりの回答は全く違った。 あくまでも相談者の落ち度を厳しく指摘する内容だった事に、心より賛同するのだ。 

 以下に、三輪氏よりの「ほほ笑みの練習をしましょう」と題する相談解答を要約しよう。
 相談者の貴方自身が如何なる人物かどうか、掛け値なしに採点してみて下さい。 この世は天国ではなく、全人格的に優れた菩薩様がいるわけではない。 職場の同僚が上司に気に入られたとかの次元の低い事でうろたえたり、一喜一憂したりすることが馬鹿馬鹿しくなるはずだ。 
 この相談者に限らず、生活上の知恵やマナーについての教育を、日本人全体が受けねばならない状態に追い込まれている。 世界各国で、後ろ姿を見ても微笑んでいる感じがする人を嫌いな人はいない。 微笑んでいる人を放っておきませんよ、誰も。
 (以上、三輪明宏氏よりの“悩みのるつぼ”相談内容の一部を要約して引用。) 


 最後に、原左都子の私論でまとめよう。

 この相談者の“勘違いぶり”が甚だしい事に関しては、国内如何なる地方に住んでいるにもかかわらずバッシング対象となろう。 年上の相手が尊敬できないと判断すると自分の心を閉ざす? 一体どのような人生経験に基づき、人物評価を下しているのか?
 その回答とは三輪氏が上記回答内で指摘された通りだ。

 現在の我が国に於いて、国家政策ないし教育行政の歪み現象故か? 三輪氏がおっしゃる通りの人民生活上の「知恵」や「マナー」が欠如した事態を私自身も憂えている。 
 人間関係の希薄化現象が世界規模でもたらした社会全体の退化故に、人が“微笑まなく”なっている現象を、日本のみではなく諸外国でも経験させられる次第だ。

 この現象に追い打ちをかけるような“人から微笑みを奪う”がごとくの安倍政権の「集団的自衛権」閣議決定。
 
 それにも関わらず昨日滋賀県知事選に於いて自民政権が敗北した事実を、今後の国民の“微笑み返し”のきっかけの一つと捉えたいものだ。
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