原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

独裁リーダーの安直な思考・采配とは所詮失敗に終わる

2017年10月12日 | 時事論評
 けだるい程に季節外れに蒸し暑く不快な本日の日和の中…… 

 外では、選挙カーのスピーカー音がうるさい。
 ただ今回の衆院選は、いつもの選挙戦程の騒がしさは無い。
 10月10日の衆院選公示後、我が家の近くにやって来た選挙カーは共産党と自民党のみだ。

 実は我が家は “あの” 「希望の党」若狭勝氏が出馬している選挙区なのだが、選挙前よりただの一度とて出馬の挨拶に来たためしがない。
 元々「希望の党」への批判を続けている私故に、まさかまかり間違っても若狭氏になど投票する訳もないが、それにしてもどうしたのだろう。 全国に出馬している「希望の党」党員の応援演説で多忙なのだろうか? 自分の選挙区を蔑ろにして自らが当選出来ると信じる程の余裕は無いはず、と私は予想しているのだが…。


 さて、話題を変えよう。

 今朝方、ネットにて興味深い情報を発見した。 以下にその情報の一部を要約して紹介しよう。

 読売新聞が10月7~8日に実施した調査で、衆院比例選の投票先は自民党の32%がトップとなり、前回9月28~29日の調査の34%から微減となった。 一方、自民党を脅かす存在として注目を集める小池東京都知事率いる希望の党は、19%から13%に低下した。 ポピュリスト的政策や、人気の源である小池氏自身が出馬しないことで、希望の党から支持が離れ始めていると海外メディアは見ている。
 希望の党失速の理由として各紙が上げるのが、小池氏自身が出馬しないとしたことだ。 フィナンシャル・タイムズ紙(FT)は、小池氏は他党の離党者を引き入れ新党を結成したものの、自身の出馬はないとしたことで、党躍進のチャンスにダメージを与えてしまったようだと述べる。 野党への票が分散することで、結果的に小選挙区でも安倍首相を利することになるのではないかとしている。
 ニューヨーク・タイムズ紙(NYT)は、男性ばかりの政界で這い上がってきた女性として小池氏を高く評価するものの、希望の党は同氏のアイデンティティと密接にリンクしていると指摘し、同氏が出馬しないのであれば、その戦いぶりを予測するのは難しいとした。 ロシアのスプートニクも、小池人気に支えられているのに、同氏が不出馬を宣言したことで、希望の党支持が急落したと述べている。
 実現性に乏しい政策も、支持者離れの原因ではないかとされている。 NYTは、小池氏は安全保障についてはタカ派で安倍首相の改憲への努力を支持しているが、自民党との差別化を図る必要があったと説明する。 公約には、反原発、消費増税凍結、企業団体献金ゼロ、受動喫煙ゼロ、待機児童ゼロなどが示されているが、筋の通った指導者的ビジョンを提示することなく、有権者の感情をベースにした、いいとこ取りになっているという専門家の批判を紹介している。
 ソーシャルメディアでは、小池氏の写真をカップ麺「緑のたぬき」の写真と加工したものが出回っており、たぬきのように化け上手で政治的に信用できず、口先ばかりだという見方もあるという(NYT)。
 FTは、アナリストたちは希望の党の公約には懐疑的だと述べる。 消費増税を遅らせたり、ベーシックインカム導入などが実行されたりすれば、財政政策はより緩くなりそうだが、どのように日銀の方向性を変えるかについての明確な提案が示されていないと指摘。 構造改革も提案されているが、経済の進路を変えることにはなりそうもないと述べている。
 NYTは、希望の党誕生で民進党が合流しようとしたが、小池氏が合流の条件を付けたことでリベラル派が立憲民主党を立ち上げたことに言及し、小池氏の新党結成表明が、政治的ドミノ倒しにつながったと述べる。 これを某教授は、日本の政治における、いまだかつてないレベルの混乱だと述べている。
 民進党に関する小池氏の戦略は、希望の党のイメージを悪くしたのではないかと述べる学者もいる。 小池氏はゾンビ化して終わりそうな民進党の難民を吟味し、自分の考えに賛成しないからという理由で多くを拒絶してしまった。 これが傲慢と不寛容と取られ、党のイメージを傷つけたと見ている。
 都政での小池氏のやり方への批判もある。 NYT紙は「自民党をブラックボックスと非難したわりには、自身が閉鎖的」という某氏のコメントを掲載し、約束された「開かれた都政」が実現していないとみるアナリストがいると述べる。 また、都民ファーストの会の議員2名が、小池氏は「独裁的」として離党したことなどを紹介している。
 結局各紙とも野党の躍進は難しいと見ており、キングストン氏は、この選挙での見どころは、改憲につながる3分の2の議席を自公が取れるかどうかだとしている(スプートニク)。
 (以上、ネット情報より一部を引用したもの。)


 ここのところ我がエッセイ集に於いて衆院選関連エッセイ公開が続いているが、それらのエッセイ内に、小池百合子氏に関する上記ネット情報同様及び類似の私論を既に述べて来ている。
 上記ネット情報内から今一度ピックアップして繰り返すならば。

 「希望の党は同氏のアイデンティティと密接にリンクしている」
 「実現性に乏しい政策も、支持者離れの原因」
 「公約には、反原発、消費増税凍結、企業団体献金ゼロ、受動喫煙ゼロ、待機児童ゼロなどが示されているが、筋の通った指導者的ビジョンを提示することなく、有権者の感情をベースにした、いいとこ取りになっている」
 「たぬきのように化け上手で政治的に信用できず、口先ばかり」
 「消費増税を遅らせたり、ベーシックインカム導入などが実行されたりすれば、財政政策はより緩くなりそうだというが、どのように日銀の方向性を変えるかについての明確な提案が示されていない。 構造改革も提案しているが、経済の進路を変えることにはなりそうもない」
 「希望の党誕生で民進党が合流しようとしたが、小池氏が合流の条件を付けたことでリベラル派が立憲民主党を立ち上げたことに言及し、小池氏の新党結成表明が政治的ドミノ倒しにつながった」
 「自民党をブラックボックスと非難したわりには、自身が閉鎖的」
 「約束の『開かれた都政』が実現していない」
 「都民ファーストの会の議員2名が、小池氏は“独裁的”として離党した」


 さて、本日(2017.10.12)付朝日新聞一面トップ記事によれば。
 「自民堅調 希望伸びず」とある。  
 朝日新聞衆院選情勢調査によれば、安倍政権のこの5年間の国民の評価が割れる中、(「希望の党」自爆的失墜騒動により)、結果として相対的に自民が優位に立つ状況が浮かびあがっている、との報道だ。

 
 最後に、原左都子の私論で締めくくろう。

 実に残念だ。 今回の選挙では、最低限「安倍政権」を潰したかった…

 ただ、(私自身は最初から一切期待していなかったが)小池百合子氏率いる「希望の党」を一度は支持せんとした国民にも大いなる落ち度があろう。 もっと小池氏との人物が何をやらんとしているのか、少なくとも都議会選挙あたりから国民(都民)一人一人に虎視眈々と観察して欲しかったものだ。

 あるいは野党各党が、当初よりあまりにも存在感が無さ過ぎた責任も大きいだろう。
 民進党はもっと早期に分裂しておくべきだった。  にもかかわらず、「希望の党」率いる小池氏から「全員を受け入れる気はさらさらない!」と直言された後にやっと党内が動揺し始め、分裂劇に至ったのも他力本願この上ない。
 せめても私にとっては、その直後に枝野氏が「立憲民主党」を立ち上げ、現在力強く選挙戦に臨んでいるのが救いであるものの。

 表題に戻って、「希望の党」党首の小池さん。
 上記諸外国メディアにまで取り上げられる人物になっている事実を、貴方自身は如何に感じているのだろう。
 「自分の名前さえメディアに取り上げられれば有名になれる!」なる思想とは、まるで10代女子がAKBにでも入らんとする“茶目っ気”と同レベルだ。
 その“茶目っ気”は、都知事選と都議会選にて終了にしませんか?、小池さん。 
 今後尚政治家としての生命を繋げたいのならば、「東京都知事」として残り3年の任期を精一杯まっとうするのが貴方の真の使命と、私は今一度指南申し上げたいのだが……