原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

2016夏 左都子の台北旅行 「台北戯棚」編 -1-

2016年08月25日 | 旅行・グルメ
 (写真は、台湾伝統芸能 タイペイアイ(台北戯棚)公演舞台を撮影したもの。)


 冒頭より、台北戯棚 の漢字に関してだが、ワード変換でこの漢字を出すのが精一杯のため、微妙に間違っているであろう事をあらかじめお詫びしておく。 


 娘の短期夏季休暇を利用しての今回の台北旅行。
 下調べ不足に陥ったとはいえ、あらかじめ自分達が行きたい所の的を絞っておかねば、何らのポリシー無き旅程に始終してしまいそうだ。
 そこで出発前に短時間の暇を見つけては、私なりに台北をネット検索してみた。

 今日本人観光客に超人気なのは「九フン」(映画「千と千尋の神隠し」の舞台とも言われている観光地らしい)のようだが、ここへ個人旅行にて行くには、猛暑と複雑な交通網(片道2時間ほどかかりそうだ)と九フン現地の大混雑に耐えねばならない。
 この三重苦に耐えてまで行く価値があるかどうかを、台北到着後も娘と二人で話し合ったのだが、結果として“没”とした。
 今時台北を訪れる日本の観光客達は、こぞって「九フン」を訪れているらしいため、ご興味があれば別サイトを閲覧下さい。


 さて、ネット検索していて私が一番興味を持ったのは、上記写真の「タイペイアイ(台北戯棚)公演」だ。
 元々クラシックバレエ公演観賞の趣味がある私は、これに真っ先に飛びついた。 夜の公演だし、室内でゆったり静かに過ごせるため、猛暑や観光客混雑の喧騒に耐える必要もない。
 さっそく、ネットにてチケットを手配した。


 ここで「タイペイアイ」に関して劇場にて頂いたパンフレットより、その概要を説明しておこう。(これがなかなかユニークと言うのか、原左都子好みの内容だ。)

 以下、パンフレットより要約引用。

 タイペイアイを語るには、芸術・占領・戦争・中国人・日本人・アメリカ人、そしてそれとかかわりがあった台湾人の一家族に触れねばならない。
 1915年、台湾人は日本の統治下にあり、下等国民としての毎日を送っていた。 その時代にタイペイアイ開設者は日本人から戯館を買い受け改造し、「台湾新舞台」と名を改め、上海より京劇団を呼び、福建と地元の歌戯班と共に上演させた。 これは台湾では初めての試みで、中華伝統芸術のパフォーマンスの場として重視される所になった。
 第二次世界大戦中、台湾は日本の植民地であったがためアメリカ空軍の激しい空爆を受けた。 「台湾新舞台」も一片の廃墟と化してしまった。
 その後、「台湾新舞台」は「台湾新劇団」として創立し、欧米や日本の演芸界に中華文化に対する認識を高めるのに貢献している。  (以下、中略。)
 タイペイアイ(台北戯棚)にお越しの皆様、台北人の伝奇に参加してみませんか。 これは体験であり芸術です。 破壊や統御では決してありません。  タイペイアイ(台北戯棚)は海外からのお客様のために作られた台湾伝統舞台芸術のステージです。 短い時間、皆様に台湾百年来の素敵な芸術パフォーマンスを気軽にお楽しみいただけます。 
 (以上、タイペイアイより頂いたパンフレットより、一部を抜粋して要約引用したもの。)


 いやはや、素晴らしい舞台だった。
 クラシックバレエやモダンバレエ、アクロバット、コメディ等々、あらゆる要素を京劇の中に盛り込みつつ、研ぎ澄まされた演技・表現力にて舞台パフォーマンスを60分内に凝縮・展開したステージだった。

 (愚かな日本が過去に於いて長き年月に渡り台湾を植民地統治した事実は、一日本国民である原左都子からも遅ればせながらお詫び申し上げたい……。)