原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

「とと姉ちゃん」、 “長女は得” と言いたいドラマか??

2016年08月15日 | その他オピニオン
 8月後半に入り、早くも NHK連続テレビ小説 「とと姉ちゃん」 が終盤を迎えている。

 毎回半年間に渡り放映されるこのドラマシリーズだが、「ゲゲゲの女房」あたりから(「まれ」を除き)ずっと高視聴率に恵まれているようだ。
 
 私の場合、昼のNHK天気予報とニュースをチェックする流れで、在宅している際には必ずと言っていい程このドラマシリーズの再放送を視聴する習慣がついて、既に十数年の年月が流れたであろうか。

 その一単位毎のドラマを見る都度、感想なり反論なりのエッセイを当該エッセイ集にて公開して来ているが、現在放映中の「とと姉ちゃん」に関しては、ドラマ終盤にして今回が初めての我がエッセイ集にての論評だ。

 このドラマも、聞くところによれば視聴率が高い “らしい”。
 ただ、そもそも「視聴率の高さ」とはその実態が不明であると共に信憑性に欠けるものであり、決してドラマの出来具合と相関するものではないと客観的に捉えている私は、物語の最初から自分自身の感覚や評価を重視しつつ見聞して来ている。


 そんな原左都子の、「とと姉ちゃん」 に関する感想を述べよう。

 大変失礼は承知の上だが、私はこのドラマが始まる前から「期待薄だなあ……」 なる失望感を抱いていた。 (あくまでも私の好み範疇の感想だが)、とにもかくにも主演女優氏自身に期待薄だった事が正直なところだ。

 皆さんもご存知の通り、このドラマシリーズとは、新人女優の“登竜門”的役割を果たしている事には間違いないであろう。 例外的に、既に世に売れている女優氏達も主役に抜擢されることが無きにしも非ずのようだが、そのほとんどは、テレビ通ではない私など、初めて拝見する若手女優氏が主役を任されている感覚がある。 
 その例を挙げれば、まさに「ゲゲゲの女房」主役を務めた松下奈緒氏など、当該ドラマにて初めて拝見した。 あるいは、前回の「あさが来た」主演の波留氏もこのドラマで見たのが最初である。 参考だが、私見としては、ご両人共素晴らしく主演女優を全うされたと高評価している。

 さて、今回の「とと姉ちゃん」に話を戻すと…。

 私の場合、「とと姉ちゃん」主演の女優氏である高畑充希氏は、「ごちそうさん」にて既に拝見していたためその存在を認識していた。  同じく「まれ」の主演女優だった土屋太鳳氏に関しても、「花子とアン」の花子の妹役で出演していたことを記憶していた。
 確かに、ご両人共に脇役の立場では素晴らしい演技派として一時ドラマを盛り立てた事は認めよう。

 だが私が気になったのは、ご両人共に、あくまでも“脇役”として光る存在ではないだろうか? との点である。 申し訳ないが、当該ご両人を主役に奉ろうとしているNHKの魂胆は「失敗に終わるだろう」と確信していたのだ!

 そうしたところ我が予想通り、「まれ」が近年のドラマシリーズにしては大失敗(あくまでも視聴率が低いとの観点だが)に終わっている。 (だた、土屋太鳳氏ご本人は女優として今のところはご活躍中とのことだが…。)
 
 更なる失礼をお詫びしつつも 「とと姉ちゃん」も、あくまでも“脇役”の器でしかない高畑充希氏との新人女優を主役に抜擢した事により、低視聴率を彷徨うものと推測していた。

 そんな観点より4月からこのドラマを見始めて一番気がかりだったのが、主役が子役から大人に移った時点で、主演女優の“美人度”が一段と下がった事だ。
 (このドラマシリーズでは、遠い過去にも同じ失敗をしでかしている事を思い起こした。 超人気だった「鳩子の海」に於いて、斎藤こずえ氏が素晴らしいまでに可愛らしい子役を演じた後に、藤田ナンタラ氏との“濃厚な”イメージの女優にバトンタッチした後、国民からのブーイングが絶えなかったものだ。)

 それをカバーするかのごとく、ドラマ内で大人役の高畑充希氏を「美人だね!」と言うドラマ場面が繰り返された事を視聴者の皆さんは気付いたであろうか??
 例えば、大地真央氏演ずる祖母の義理息子役のイケメン男優にそれを言わせた。 あるいは、常子就職場面でも、「貴方は可愛いから採用してあげたんだよ~~」なる言葉も吐かれた。  
 これらはドラマ制作側が、高畑充希氏が外見要因で(子役よりも)劣る事をフォローしようとしたものだろうが、返って墓穴を掘ったと私は捉えている。 
 高畑充希氏とは、私の印象では 「まれ」で失敗した土屋太鳳氏よりも年齢が上で芸歴が長い事が功を奏しているのだろうが、演技力の点では上位にあると判断する。 NHKスタッフ側も、そんな彼女を下手にカバーするより今後の女優としての成長に期待してはどうなのか?

 
 前置きが長過ぎたようだが、このドラマを4月当初より継続して視聴して来ている原左都子のマイナス印象でまとめよう。

 物語の時代背景も考慮するべきとは思いつつ、何故長女である常子が家族から“とと姉ちゃん”と呼ばれつつ一番良き思いばかりをしているのかに対し、私は許し難い感覚に陥っている。(私自身が次女として生まれている事実も背景にある事を認めるが。) 
 この三姉妹の資質等を考慮した場合、特段長女である常子が突出しているとは私の目線では評価しかねるのだ。 

 そもそも、長女の常子が3姉妹の中で最初から 何故 “とと姉ちゃん” として奉られたのかに関して合点がいかない。  私の目から見れば、次女とて三女とて能力的にさほど劣らずその身分に君臨出来たはずだ。
 もちろん、それは当然当時の日本が置かれていた「家」「身分」制度に基づく結果であろう。
 
 そうである事を承知しているのならば、NHKも当時の時代背景に考慮しつつも、今後もう少し現代にマッチするがごとく脚本を工夫して欲しい気もする。

 
 「とと姉ちゃん」の場合、助演達(大地真央氏や唐沢寿明氏等々)超大物俳優氏に恵まれた事が、ドラマ視聴率を高く維持し続けたと分析出来よう。

 で、どうなのだろう。 肝心の主役女優である高畑充希氏に関する評判の程は如何なのか??
 これぞ、NHK連続テレビ小説が長年敢えて新人女優を使ってドラマ作りをしている身にして、今後担う課題なのではなかろうか? 
 大変申し訳ないが、「とと姉ちゃん」に関する原左都子の一貫する印象としては、ドラマ終盤にして尚残念ながら “こまっしゃくれた若手ブス女優” が主役を任されているなあ、との感覚を脱出出来ないでいる…‥。 (誰が如何に彼女を褒めようが、未だ24歳の新人女優に “芸風” もへったくれもないと私は呆れるばかりなのだが…)

 (そろそろ撮影クランクアップを迎えるのだろうが)ドラマ放映終焉まで後1ヶ月半の余裕があるが、その間にその印象は変貌を遂げるのだろうか?!?