原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

就活内定結果に劣等感?? 何でそんな企業受けたの?

2015年12月21日 | 仕事・就職
 現在大学4年生の我が娘が10月初旬に就活内定を勝ち取ってから、早くも2ヶ月半が過ぎ去った。

 その間、12月初旬に開催された大学主催の「一般公開卒論最終発表会」を無難に通過し、現在は卒論提出の最終まとめ作業に入っている。 これを1月に提出し審査に合格すれば、娘もいよいよ晴れて大学卒業だ。

 今の時代は何処の企業も同様であろうが、内定を出し4月に入社予定の学生に対し、入社に先立ちあらかじめ課題を課す事業所が多いようだ。(?)
 特に我が娘の入社予定企業の場合、新卒入社者が少ないせいか、その課題指導が随分と懇切丁寧な様子である。 新卒指導担当社員氏より娘宛に随時パソコン課題が送付され、娘が提出した課題解答に対し、メールや携帯電話にてその内容や結果に関するやり取りを頻繁に行っている様子である。

 娘は内定ゲット以降の2ヶ月半の間、卒論への取り組みと内定企業から課せられた課題を精力的にこなし、充実した日々を送っているようだ。

 そんな折、この年末になって、内定企業の代表取締役社長が直々に新入社予定の学生達の面談をしてくれると言う。  どこの馬の骨とも分からぬ、しかも、どれ程の働きが期待出来るのかも未知数の“未熟学生”に社長自ら直接会って、一体何を伝授してくれるのか不明である。 が、よくぞまあ、そこまで新卒学生達を大事にしてくれる企業姿勢に親としては喜ばない訳もない。
 いや、それは単に“親の欲目”故の勘違いに過ぎず、その実は、社長から「貴方の課題の出来が悪い!4月までにもっと精進せよ」との説諭があるのかと少し怖い気もするが…。
 いずれにせよ娘は明日、内定企業へ社長面談に出かける予定となっている。 4月入社に向けて、それが娘にとって更なる励みとなればよいのだが。


 そんな折、朝日新聞別刷「be」“悩みのるつぼ”にて、21歳女性による「内定結果に劣等感いっぱいで」なる題名の相談を見つけた。
 まったく我が娘と同じ年齢しかも同じ環境下にある相談者が、如何に内定結果に悩んでいるのかと興味深々で相談内容を読んでみると… 

 以下に、その相談内容を要約して紹介しよう。
 21歳の女性だが、第一希望の企業に最終面接で落ちた。 最終まで残ったのは奇跡といえるくらいの倍率だった。 その後内定した先は、社員が50人ほどの規模の小さい会社だ。 良い点は土日が休みの事くらいで、社長がワンマンであるなど他に良いことがないようだ。 介護職か事務職かで迷ったが、やりがいの面では介護職と思っていた。 事務職は何年も勤めるとマンネリ化し、仕事以外にしか楽しみが見出せないと思ったからだ。 ただ福祉施設で職場体験をした時、排泄介助を生理的に受け入れられず、認知症の人との意思疎通の難しさから、自分には無理と感じた。 夜勤も含め、体力面でも介護は諦め、嫌だと思っていた事務職に決めた。  
 世の中、大半は妥協をしつつ就職するかと思うが、納得いくまで就活を続けるつもりだ。 だが、納得できる企業から内定をもらえる保証はない。 プライドの高い私は、小さい企業の事務職への就職が受け入れられない。 劣等感を抱いたまま、来春を迎えたくない。 前向きに考えられるアドバイスが欲しい。 (以上、“悩みのるつぼ”相談より要約引用したもの。)


 原左都子の私論に入ろう。

 この相談者である21歳の娘さんは、おそらく“大卒”にて就活をしたのではなさそうだ。
 決して別段それに問題がある訳ではないのだが、どうも、今までの21年間の人生の経験値が極端に少ないように私は感じてしまう。
 自身の専門の程が相談内容から把握し難いのも事実だが、21歳との年齢に照らして考えると「介護」分野の専門学校を来春卒業するのであろうか?  そうだとして、それには自身が感情移入不能。 だから、やむなく事務職の内定を取ったが、それも気に食わない。 どうしてかと言うと、自分はプライドが高いのにそのプライドに内定先が見合っていない。…… 

 相談に応じる側の立場として、困惑させられる一方、一番論破し易い相談内容と分析可能であろう。

 おそらく、介護分野の専門学校を2~3年程通った女性と推測する。
 私の場合高校教員経験があるが、“商業高校”に教員として勤めていた身として思い出すのは、17、8歳にして既に物凄い専門力を身に付けて卒業する生徒が存在したことだ。 例えば、簿記1級検定に合格するなど序の口、もっと凄い他校の事例は、高校生にして超難関の“公認会計士”試験に合格する生徒も存在したと見聞している。
 それくらいの専門力を身に付けるべく、必死で物事に取り組まない事には自分の未来はないのではなかろうか? それ程の努力をして後に、自身のプライドを高くしても何も遅くはないだろう。

 それから相談女性にもう一つ助言しておきたいのは、たとえ企業の最終選考まで残ったと言えども、結局不採用にされた事実とは、結果として「敗北」でしかないとの事だ。 
 そんな事にいつまでも自分のプライドの置き場を求めるから、貴方は劣等感を払拭出来ないと私は結論付ける。 敗北は敗北と認めよう。
 そして、そんな貴女を事務職員として採用してくれた小規模企業にて精一杯の努力を続ければ、少しづつ明るい未来が見えてくるのではなかろうか。 


 あ~~~。 それにしても話題を我が家の娘に戻すと、明日の内定後の面談で、一体全体、内定先企業の社長氏より何を指摘されるのだろうか?!?

 まったくもって、他人事じゃないなあ…