これは、小さい子どもを抱える主婦にとっては何とも深刻な相談と受け止めた。
朝日新聞10月3日(土)別刷「be」“悩みのるつぼ”の今回の相談は、31歳育児休業中女性からの「働かない夫を更正させたい」である。
早速、この相談を以下に要約して紹介しよう。
この秋に第2子が生まれるが、26歳の夫が仕事をせず、上の子の面倒も見ない。 3年前に結婚した際、夫は大学生だったがまもなく退学、定職に就かずアルバイトも長続きしない。育児休職中の私は貯金を取り崩して何とか生活しているのに、夫は家でテレビを見てゲームをするばかり。家事を頼むとしぶしぶ手伝うが自分からは動かない。子守を任せても一緒にテレビを見ているだけ。 1日2時間でも仕事をするように促したり、ゲームの時間を減らすよう要求しても「わかってる」と答えるのみ。 夫の両親に相談しても「仕方のない子ね」という反応で彼に注意もせず甘い親である。 彼のことは好きだし別れたくはない。 次の子どもが生まれたら私がすぐに職場復帰して彼に専業主夫をさせてもいいが、今のままだと子どもを任せるのも心配だ。 どうすれば無気力な彼を「更正」させられるか。
早速私論に入ろう。
この救いようのない“プー太郎”亭主を、何を好き好んで面倒を見てやっているのかアンビリーバブルとしか言いようがない。 今時この手の“奉仕精神”が旺盛な若い女性が世に増殖しているのであろうか??
「とっとと別れてしまえ!!」と吐き捨てたい思いの原左都子であるが、この“プー太郎”が好きだから別れたくないと言う相談者女性の思いも少しは尊重せねばならぬのであろう。
今回の相談の回答者は社会学者の上野千鶴子氏であるが、その回答内容が私論と一致する部分が多いため、まずは上野氏の回答を以下に要約して紹介しよう。
夫が仕事をしないのは仕事をする理由がないからだ。 おそらくあなたは「家長」と「主婦」の役割を同時にこなせる有能な女性なのであろう。 甘やかされて育った夫は、自分の親に代わる庇護者をあなたに求めたのではないのか。「彼のことは好き」とあるが、世間知らずの純粋さや甘さ、安きに流れる弱さを含めて愛したならば、今後もあなたが「家長」と「主婦」の二役を引き受けて「うちにはもう一人子どもがいる」と覚悟することだ。 あなたが自分と結婚生活とを継続したいなら、そういう環境を作らねばならない。彼に「子どもを任せる」のもその一つで、任せたら干渉しない。もしかしたら現実逃避的で競争を避けたいらしい夫は、よい親になるかもしれない。あなたにとっても癒しになるかもしれない。 もしそれでも無責任な夫なら、人間的に問題があると見限るべきだ。 それでも、あなたが彼に対する期待をどうしても捨てられないのなら、男を見る目がなかったと潔く母子家庭になる方が、この先扶養家族もストレスも少なくてすむであろう。
以上が、社会学者上野千鶴子氏による今回の相談への回答の要約である。
ここで私事について少し語ろう。
我が家の亭主は決して“プー太郎”ではなく、結婚以来ずっと欠かさず安定収入を我が家に運んでくれている。 そんな我が家の実質的「家長」の権限は結婚以来私が握り続けているのであるが、それはお互いの“適性”や“資質”故に自然の流れでそうなったものと私は捉えている。 実質的「家長」である私は、家庭に関する一切合切の任務を一手に引き受けている。 例えば、子どもの教育、家計の管理、家族の将来設計、外交対応、等々……
その中の一例を取り上げると、子どもの教育に関しては我が亭主も子どもが幼少の頃は少しは子育てを手伝ったものであるが、子どもが高校生となっている今では子どもの教育に亭主がかかわる事は皆無である。 これに関しては、たとえ身内であるとはいえ他者から意見されることを好まない私の方針を貫きたい故でもある。
そこで亭主は家庭内の全ての決定事項につき私が下した結論に事後承諾をする立場にある。(亭主の許容力に助けられている部分も大きいことは重々承知の上であるのだが…) このように我が家の場合は亭主が私を立ててくれていることにより、うまく立ち回っているとも私は捉えている。
そういった背景もあって、我が亭主も上記相談者の夫同様に仕事から帰宅後や仕事が休みの日には自分の意思でやりたいように過ごし、家庭に貢献するがごとくのかかわりは一切ない我が家である。(晩婚でもあるしねえ~)
だが我が家の場合は相談者の家庭とは異なり、亭主は安定収入を結婚以来欠かさず運んでくれるし、「家長」の権限を一切委譲してくれることは私の希望でもあるため現在に至っては特段不服もなく、我が家はそこそこうまく機能していると考察しているのである。
今回の相談が深刻だと感じるのは、子どもが小さい(2人目はなんと、これから生まれる)ことである。 回答者の上野氏がおっしゃるようにこの相談女性は有能であろうと私も捉えるが、今後第二子を出産直後の職場復帰は体にこたえるであろうことは間違いない。 しかも亭主は、何の役にも立たない“プー太郎”… 甘く育った体質はどう考察しても変えられそうもない。 日頃お世話になっている配偶者の相談者女性を慮った上でそういう行動をとっているとの奥深さも、残念ながらこの“プー太郎”からは一切感じられない。
たとえ相談者女性が「好きな夫」であるとは言え、毎日仕事から帰宅後、家中がゴミ捨て場のごとく散らかり、幼い子どもに食事も与えていない“プー太郎亭主”がいくら優しい言葉を女性にかけたからと言って、今後女性の怒りが爆発するのみであるのは重々想像がついてしまうのだ……
“プー太郎”亭主を「それでも好き」という女性の気持ちも汲んであげたいが、これは上野氏がおっしゃるように“男を見る目がなかった”としか言いようがない。
悲しい結論であるけれども、どうか早めの離婚を考慮して“プー太郎”亭主はとっとと捨て去り、母子家庭で健全に幸せに力強く生き抜かれますように。
朝日新聞10月3日(土)別刷「be」“悩みのるつぼ”の今回の相談は、31歳育児休業中女性からの「働かない夫を更正させたい」である。
早速、この相談を以下に要約して紹介しよう。
この秋に第2子が生まれるが、26歳の夫が仕事をせず、上の子の面倒も見ない。 3年前に結婚した際、夫は大学生だったがまもなく退学、定職に就かずアルバイトも長続きしない。育児休職中の私は貯金を取り崩して何とか生活しているのに、夫は家でテレビを見てゲームをするばかり。家事を頼むとしぶしぶ手伝うが自分からは動かない。子守を任せても一緒にテレビを見ているだけ。 1日2時間でも仕事をするように促したり、ゲームの時間を減らすよう要求しても「わかってる」と答えるのみ。 夫の両親に相談しても「仕方のない子ね」という反応で彼に注意もせず甘い親である。 彼のことは好きだし別れたくはない。 次の子どもが生まれたら私がすぐに職場復帰して彼に専業主夫をさせてもいいが、今のままだと子どもを任せるのも心配だ。 どうすれば無気力な彼を「更正」させられるか。
早速私論に入ろう。
この救いようのない“プー太郎”亭主を、何を好き好んで面倒を見てやっているのかアンビリーバブルとしか言いようがない。 今時この手の“奉仕精神”が旺盛な若い女性が世に増殖しているのであろうか??
「とっとと別れてしまえ!!」と吐き捨てたい思いの原左都子であるが、この“プー太郎”が好きだから別れたくないと言う相談者女性の思いも少しは尊重せねばならぬのであろう。
今回の相談の回答者は社会学者の上野千鶴子氏であるが、その回答内容が私論と一致する部分が多いため、まずは上野氏の回答を以下に要約して紹介しよう。
夫が仕事をしないのは仕事をする理由がないからだ。 おそらくあなたは「家長」と「主婦」の役割を同時にこなせる有能な女性なのであろう。 甘やかされて育った夫は、自分の親に代わる庇護者をあなたに求めたのではないのか。「彼のことは好き」とあるが、世間知らずの純粋さや甘さ、安きに流れる弱さを含めて愛したならば、今後もあなたが「家長」と「主婦」の二役を引き受けて「うちにはもう一人子どもがいる」と覚悟することだ。 あなたが自分と結婚生活とを継続したいなら、そういう環境を作らねばならない。彼に「子どもを任せる」のもその一つで、任せたら干渉しない。もしかしたら現実逃避的で競争を避けたいらしい夫は、よい親になるかもしれない。あなたにとっても癒しになるかもしれない。 もしそれでも無責任な夫なら、人間的に問題があると見限るべきだ。 それでも、あなたが彼に対する期待をどうしても捨てられないのなら、男を見る目がなかったと潔く母子家庭になる方が、この先扶養家族もストレスも少なくてすむであろう。
以上が、社会学者上野千鶴子氏による今回の相談への回答の要約である。
ここで私事について少し語ろう。
我が家の亭主は決して“プー太郎”ではなく、結婚以来ずっと欠かさず安定収入を我が家に運んでくれている。 そんな我が家の実質的「家長」の権限は結婚以来私が握り続けているのであるが、それはお互いの“適性”や“資質”故に自然の流れでそうなったものと私は捉えている。 実質的「家長」である私は、家庭に関する一切合切の任務を一手に引き受けている。 例えば、子どもの教育、家計の管理、家族の将来設計、外交対応、等々……
その中の一例を取り上げると、子どもの教育に関しては我が亭主も子どもが幼少の頃は少しは子育てを手伝ったものであるが、子どもが高校生となっている今では子どもの教育に亭主がかかわる事は皆無である。 これに関しては、たとえ身内であるとはいえ他者から意見されることを好まない私の方針を貫きたい故でもある。
そこで亭主は家庭内の全ての決定事項につき私が下した結論に事後承諾をする立場にある。(亭主の許容力に助けられている部分も大きいことは重々承知の上であるのだが…) このように我が家の場合は亭主が私を立ててくれていることにより、うまく立ち回っているとも私は捉えている。
そういった背景もあって、我が亭主も上記相談者の夫同様に仕事から帰宅後や仕事が休みの日には自分の意思でやりたいように過ごし、家庭に貢献するがごとくのかかわりは一切ない我が家である。(晩婚でもあるしねえ~)
だが我が家の場合は相談者の家庭とは異なり、亭主は安定収入を結婚以来欠かさず運んでくれるし、「家長」の権限を一切委譲してくれることは私の希望でもあるため現在に至っては特段不服もなく、我が家はそこそこうまく機能していると考察しているのである。
今回の相談が深刻だと感じるのは、子どもが小さい(2人目はなんと、これから生まれる)ことである。 回答者の上野氏がおっしゃるようにこの相談女性は有能であろうと私も捉えるが、今後第二子を出産直後の職場復帰は体にこたえるであろうことは間違いない。 しかも亭主は、何の役にも立たない“プー太郎”… 甘く育った体質はどう考察しても変えられそうもない。 日頃お世話になっている配偶者の相談者女性を慮った上でそういう行動をとっているとの奥深さも、残念ながらこの“プー太郎”からは一切感じられない。
たとえ相談者女性が「好きな夫」であるとは言え、毎日仕事から帰宅後、家中がゴミ捨て場のごとく散らかり、幼い子どもに食事も与えていない“プー太郎亭主”がいくら優しい言葉を女性にかけたからと言って、今後女性の怒りが爆発するのみであるのは重々想像がついてしまうのだ……
“プー太郎”亭主を「それでも好き」という女性の気持ちも汲んであげたいが、これは上野氏がおっしゃるように“男を見る目がなかった”としか言いようがない。
悲しい結論であるけれども、どうか早めの離婚を考慮して“プー太郎”亭主はとっとと捨て去り、母子家庭で健全に幸せに力強く生き抜かれますように。