80代前半の男性は就寝中、ベッドから落ちて動けなくなりました。起き上がろうとしても起き上がれないのです。去年5月のことでした。妻に支えてもらいながら近くの整形外科医院を受診しました。
それが1年間に及ぶ入院生活の始まりでした。整形外科医は問診、検査を繰り返しましたが、動けなくなった原因がわかりません。医師の紹介で大学病院でいろいろな検査を受けましたが、いまだに原因が不明のままです。
男性はこれまで大きな病気を患うことはありませんでした。酒好きでビールから日本酒、焼酎、ウイスキー、ブランデーなどなんで飲みました。アルコール度が高い蒸留酒が好みでした。毎晩酒を口にしない日はありませんでしたが、肝機能検査の数値は正常で「肝臓は人の何倍も強いようだ」と話していました。
たばこも両切りピースを吸っていましたが、十数年前に初期の食道がんの摘出手術を受けたことから、ニコチン、タールが軽めのたばこに切り替えました。
今年5月に退院し、自宅で療養生活を送っています。入院中、酒を控えていたこともあり、「飲む気が起こらなくなった」と言います。たばこは本数は減ったが、今でも吸っているそうです。家では歩行器、外出するときは車いすを使っています。
病気の半分は原因がわからないとされます。男性は「医師から体を動かすようにいわれているが、原因がわからないので対策を立てられないのがつらい」と話しています。高齢の身になると何が起こるかわかりません。私の身に起こったら‥‥。そのとき考えます。