団塊タケちゃんの施術日記

一人二人生の旅立ち

事務職員は不要の時代なのでしょうか

2012-07-31 10:25:33 | 社会・経済

整骨院を運営していますと、いろいろな人たちが売り込みに来られます。金の販売、投資の勧誘員、保険の外務員、求人広告の採用プレゼンター、自動ドアの設置会社員、手づくりパンの販売スタッフら、様々な会社・業者の方たちが訪れます。

手があいていれば、少しの時間は話を伺うようにしています。世の中の動きが見えるし、訪問販売の人たちの「ノルマの達成」にも協力できるからです。ですから、訪ねたあかしに名刺をいただけたら、という申し出にも、よほど変な人でなければ手渡しています。

先日の夕方、LEDランプ販売スタッフの中年男性が訪れました。LEDランプがエコライフに役に立ち、消費電力が少なく、寿命も長いこともわかっているが、開院して間もないうえ、現在の蛍光灯が十分に機能しており、私は高齢者で今後10年も当院を運営する考えがないことを説明して、LEDを購入する考えがないことを伝えました。

ところが、男性は見積書だけでもつくらせてほしい、と言って、院内の蛍光灯は40Wが20本あることを確認して引き揚げました。

翌日の夕方、男性は、LEDランプ(直管形)2本と見積書を手に再び訪れました。LEDランプは家電量販店で見ているうえ、患者さんの施療中でしたので、LEDの点灯は遠慮してもらい、見積書を受け取りました。

見積書はA4判8ページ、LEDの寿命が50000時間、蛍光灯の寿命は8000時間として計算し、1日の点灯時間を8.5時間とすると、18.8年間で82万円の節約になるとはじいています。

驚きました。パソコンソフトに必要事項(私の整骨院の場合は40Wの蛍光灯20本)を打ち込めば、A4判8ページの見積書がこんなに簡単にできてしまうことです。これでは、計算したり、書類をまとめたりする事務職員は要らないな、と思いました。

ただ、見積書のデータはLED販売会社の都合の良いように書き換えています。蛍光灯20本はすでに取り付けてあるのに、新たに購入した計算になっているうえ、1本の費用が800円と実際の350円の倍以上の割高になっています。こうしたところを計算に入れれば、10年ではLEDが電気料金の大幅な節約にはならないでしょう。

それにしても、「蛍光灯40W20本」で詳細な見積書がつくられることにびっくりです。単純な事務作業のスタッフが要らなくなったということは、若い人たちの職がそれだけなくなることにつながります。とくに、教育・訓練を十分に受けていない若者たちを直撃するでしょう。ギリシャ、スペインのように、日本の若い人たちの失業率が20%を超える時代が近づいてきています。これからの若者たちは大変です。

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動くのも嫌になったら熱中症を疑って!

2012-07-30 09:25:03 | 健康・病気

35度を超える猛暑が続いています。気象予報は連日、熱中症を予防するためにこまめに水分をとるよう呼びかけています。私も熱中症にかかりそうになったことがあります。そのとき、友人の「塩分をとって」のアドバイスを受け、うどんのつゆを飲んで治りました。

友人3人と宮崎県のフェニックスカントリーでゴルフをしたときのことです。2泊3日、ホテルに宿泊してゴルフを2ラウンドするという格安旅行に行きました。炎天下でハーフの8ホールあたりから、息があがり、歩くのもしんどくなってきました。なんとか9ホールをこなして、クラブハウスに戻りましたが、動くのも嫌になってきました。

「体がすごくしんどい」というと、友人が気の付くタイプで「熱中症になりかかっているのでは。この辺のゴルフ場では、各ホールに塩を置いてあるよ。あれをなめたら」と忠告してくれました。友人は九州でも何回か、プレーをしたことがありました。私は九州のゴルフ場は初めてでした。

アドバイスに従って、昼食で食べたうどんのつゆを飲み干しました。私は血圧が少々高めでしたので、うどんやそば、ラーメンのつゆは飲まないようにしていましたが、今回は例外です。びっくりしました。体のだるさがたちどころに取れ、午後からの9ホールも無事プレーできました。途中で、塩分など電解質が多いスポーツドリンクを頻繁に口にしました。

私の体験からいって、熱中症になる前、体が動くのも嫌になりますから、そのときには電解質が豊富なスポーツドリンクを飲むか、小さじに半分の塩を100ccの水に溶かした塩水(生理的食塩水0.9%とほぼ同じ濃度)を口にしてください。少量の塩をなめるのでも効果があります。

人のことには、こんなに気のつく友人でしたが、60歳過ぎでくも膜下出血で亡くなりました。糖尿病があり、健康には留意していたはずなのですが、自分の体調には気遣いが足りなかったのでしょうか、惜しまれてなりません。

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人気の整形外科医は忙しすぎます

2012-07-28 09:13:48 | 健康・病気

インフォームド・コンセント(正確な情報を伝えたうえでの同意)を徹底している友人の整骨院長が、高校バスケットボール部のコーチの信頼を得て患者さんが増えていると聞きましたが、インフォームド・コンセントは本来は医師がしなければならないことです。私の体験では、甲状腺腫瘍と黄斑上幕の手術する前に、病院の手術担当医からインフォームド・コンセントを受けましたが、その他の病気では医師から詳しい病状と治療方法を聞いたことはほとんどありません。

その原因ははっきりしています。病院、医院の医師が忙しすぎてインフォームド・コンセントをしている時間的な余裕がまったくないのです。

私が整形外科実習を受けた兵庫県の整形外科医院は、毎日の患者数は約500人です。一人院長で診察しており、受診時間が8時間ですから、単純計算でも1時間あたり約63人を診なければなりません。1人が1分以下です。午前9時開院ですが、待合室には30人以上の高齢者が待っています。午前の診察時間は午後1時に終わりますが、この時間に終わることはなく、午後2時を回ることがしょっちゅうでした。

診察時間1人1分以下ですから、看護師さんらの緊張ぶりは大変で、ピンセットにはさんだ消毒綿を、絶妙のタイミングで院長に手渡していました。これが少しでも遅れると、院長の叱声が飛びます。実習の中で、私は足腰、背中と患者さんの患部に合わせてベッドの高さを調整する役目をしましたが、もたもたすると、私より年下の50代の院長に何度も怒鳴られました。

この院では、デイケアセンター、機能訓練の通所施設なども経営しており、患者さんの送り迎えをする10台近い車も配備しています。これが一人の院長を最高責任者に運営されています。まさに「上御一人」の存在で、リハビリ担当の柔道整復師、マッサージ師ら約20人、看護師、理学療法士、事務局スタッフは、院長の一挙一動にピリピリした緊張感をもって仕えています。

こんな状況ですから、インフォームド・コンセントを求める患者さんは実習期間では見たことがありませんでした。唯一、右肩が痛いという女性患者が「右の手首も痛いのですが」と言うと、院長は右手首も診察していました。

この現状を変えない限り、医療最前線ではインフォームド・コンセントはとても無理です。それでなければ、鎌田實・諏訪中央病院名誉院長が良い医師の条件10項目の第一にあげる「話をよく聴いてくれる医師」を見つけるしかありません。よく聴いてくれる、つまりヒマな医師です。でも、ヒマで腕の良い医師を探すのは至難のことでしょう。

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インフォームド・コンセントが「売り」に 続き

2012-07-27 06:36:56 | 健康・病気

友人の整骨院長が左足の外頸骨剥離骨折の男子高校生を施術してから、男子高校生が次々と来院するようになりました。聞くと、同じ高校のバスケットボール部員で練習や試合でけがをしたといいます。「どうして、うちの院に」と尋ねますと、「コーチに、ここの整骨院で治療してもらえ、といわれました」と口を揃えます。

外頸骨剥離骨折の男子高校生の父親がバスケットボール部のコーチだったそうです。男子高校生から、インフォームド・コンセント(正しい情報を伝えたうえでの同意)にもとづく評価と施術の内容を聞いて、「信頼できる整骨院」として、けがしたバスケットボール部員に勧めてくれたといいます。

「どのように評価し、どんな施療をするのかを正確に伝えることはセールスポイントになる」と友人は感じ入るように話しました。整骨院業界は超過当競争時代に入り、各整骨院とも「生き残り」に必死です。患者さんを旅行に招待したり、カラオケ大会を開いたりして常連さんの引き留めにやっきの整骨院もあると聞きます。その中で、私たちの本来の仕事であるインフォームド・コンセントが大きな「売り」となると友人は言います。

タケちゃんも、評価技術をさらに磨き、最新の医療情報に目を配り、患者さんからインフォームド・コンセントをきちんとしてくれるといわれる整骨院を目指します。

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インフォームド・コンセントが「売り」に

2012-07-26 09:34:25 | 健康・病気

友人の整骨院長が「症状をきちんと説明して、整骨院でできないことは整形外科に依頼することが大切です。それが患者さんに来てもらえる『整骨院の売り』になります」と切り出しました。「最近、難しい病状の患者さんが来ました」と私に問いかけたあとの言葉です。

左足の内側から足底にかかるところが痛いと訴える男子高校生が来院したそうです。男子はバスケットボール部でジャンプして着地した足を少し捻ったといいます。発症した状況とその後の痛みの具合を詳しく聞いたうえで、熱感、腫れなどを調べたあと、軽く触診して痛みの範囲、程度を診ました。

友人は左足内側の三角靭帯の損傷か、足底に付着する後脛骨筋による剥離骨折の可能性があると評価しました(医師で言えば診断なのですが、柔道整復師は診断の言葉を使うことができませんので、評価という言葉を使用しています)。そして、そのように評価した理由、治療内容、生活上の注意を男子高校生に説明しました。

患部をアイスパックで冷やしたあと、固定をして、友人は「もし2日間たっても、痛みが軽減しなければ、整形外科を受診してレントゲンを撮ってもらってください」と伝えました。

数日後、男子高校生が再び訪れ、整形外科に行ってレントゲンを撮ってもらったといい、「良く読めないのですが、整形の先生からメモをもらいました」とメモを見せました。そこには、走り書きで「外脛骨剥離骨折」と書かれていました。

外脛骨は足の舟状骨の内側にある過剰骨です。過剰骨は本来ならば無い余分の骨で、15~20%の人にあるといわれています。友人の評価の通り、後脛骨筋によって強く引っ張られると剥離骨折を起こします。3~4週間の安静が必要とされ、男子高校生にはバスケットの練習は休んでもらい、骨折を治す施術を続けているといいます。

こうしたインフォームド・コンセント(正しい情報を伝えたうえでの同意)が友人の「整骨院の売り」となって起こった現象は次回に。

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