痛みを取り除くことを業務としていますが、原因がはっきりわからないことが多々あります。内臓から来たり、ホルモンの異常などから発症するケースは各種の検査をすることができる医師の診断に任せるほか、ありません。帯状疱疹のように見てわかる症状は、すぐに皮膚科を受診するよう勧めます。
知人の整骨院長の中には「施療して帰るとき、来院したときより体が楽になっていたら、役割を果たしたことになる」と割り切る人もおります。でも、できれば原因を究明して、痛みが改善すれば、患者さんにとっても私にとってもうれしい結果となります。
病気の半数は原因が不明といわれます。医学は近年大きく発展したというものの、治療の方法がない病気が半数に及んでいるのです。原因がわからない痛みを訴える患者さんに適切な施療ができないと、心が大きくへこみます。
医療従事者の一人として、そんなときはフランスの外科医アンブロワーズ・バレの言葉を思い出すようにしています。
to cure sametimes 病を治すことは時々できる
to relieve often 苦しみを和ませることはしばしばできる
to comfort always 心を慰めることはいつでもできる
患者さんの訴えに耳を傾けます。「先生、グチを聞いてもらってありがとう」といわれると、少しは役に立てたのではないか、と思います。