立花隆さんのデビュー作「思考の技術 エコロジー的発想のすすめ」(1971年刊行)の中で、人類史にも触れています。狩猟採集時代の世界の人口は約500万人にとどまっていました。他の動物と同じように、生活の大部分の時間は食べ物を取ることに費やされていました。
それが、約1万年前、農耕と牧畜を始めたことで、人類の個体数は大きく増加します。米や麦などの穀物の栽培、牛や馬、豚などの家畜を飼うことで、食べ物を安定して摂ることができるようになりました。こうして8600万人まで膨れ上がりました。でも、動力源は人力と家畜の力でした。
それが、産業革命で動力機関を発明し、動力源が飛躍的に強力になりました。それをもとに、生産力が急拡大し、人口も爆発的に増えていきました。1961年に30億人になり、「思考の技術」が書かれた3年後の1974年に40億人に達しました。
現在の世界人口は77億人。50年足らずで倍増です。ヒトは地球でも最も高い優占種です。ヒトを捕食する動物はおりません。
立花さんはぶっそうな指摘をしています。「古代から絶滅した生物をみると、その時代の高等な生物から滅びている。三葉虫は甲殻類の頂点だったし、恐竜は爬虫類のチャンピオンだった」
さて、人類は?