団塊タケちゃんの施術日記

一人二人生の旅立ち

加齢に伴う、体の機能の衰えを先延ばしするために

2017-03-31 09:45:45 | 健康・病気

古希を迎える私の場合、2年ほど前から加齢に伴う体の機能の衰えが次々と現れました。他人が見てわかるようになったのは、声帯萎縮でかすれ声となったことです。電話をかけてきた友人の整骨院長に「えらいハスキーな声になりましたな」といわれました。

声帯と周辺の筋肉が衰えたのが原因で、ひどくなると唾液が肺に入り、誤嚥性肺炎を起こす恐れがあるといいます。そうなったら命取りになりかねません。その進行を抑えるため、声帯と周辺の筋肉を鍛える「一から十までの発声」を続けています。

飲み込む力を維持するため、舌の動きを良くする「パタカ発声」、舌を動かす舌骨上筋の鍛錬に取り組む一方、朝起きたとき、冷水を口に含んで舌の感度を高めています。舌を少し出したまま、唾液を飲み込む「ベロ出しごっくん」もやっています。

仰向けになって、お腹を思いっきり引っ込めて体幹深層筋の腹横筋を鍛え、腰のコルセット筋を整えて腰痛を防止する「ドローイン」を続けています。骨を丈夫にして血糖値を下げる骨ホルモンを出す「かかと落とし」を30回、頻尿・残尿・尿漏れを防止するため、柔らかぼうこうを保持するお尻の穴をきゅっと締める「お尻体操」もしています。

相撲のしこのような片脚立ちを各1分、2.5キロのダンベルを両手に持ってスクワット60回などを行い、下半身と大腰筋を鍛えています。

施療の合間を利用した、こうした取り組みで、体の機能はなんとか維持しています。

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水泳を続けているのに、お尻に痛み

2017-03-30 09:32:23 | 健康・病気

東京での中学校の恩師を偲ぶ会に出た時のことです。参加者の一人の80代初めの男性が「500メートルの水泳を続けているので、運動量は十分と思うのだが、最近、右のお尻が痛くて歩くのがつらくなった」といいます。私が柔道整復師をしているので、尋ねてきたのです。

整形外科医院で、理学療法士の若い女性から、お尻の筋肉を伸ばすストレッチを続けていますが、痛みは治らないといいます。うつ伏せになって、右の殿部のくぼみを軽く押しますと「イテテ」と叫びました。

お尻の深層筋(インナーマッスル)の梨状筋が硬くなって、すぐ下を通る坐骨神経を圧迫しているのではないか、とみました。それで、今度は仰向けになって右の股関節、膝を90度くらいに曲げてから、大腿を内側にゆっくりと倒す梨状筋テストを行いますと、右の臀部に強い痛みを訴えました。

「梨状筋症候群でしょう」と告げ、どうして痛みが発症するのかを説明しました。男性は若いときはサッカーの選手と鳴らしたスポーツマンです。70代になってからは、全身運動の水泳に励み、週3回はプールに通い、1000メートルは泳いでいたといいます。80代になってから500メートルに抑えているそうです。

「運動しているのに筋肉は弱るの」といいますから、「通常の運動は浅層筋を鍛えますが、深層筋を鍛えるわけではありません」と説明しました。理学療法士が行っているお尻の筋肉を伸ばすストレッチは梨状筋を伸ばしていることを伝え、梨状筋が柔らかくなれば、痛みは改善します、と説明しました。

同時に、お尻の筋肉の殿筋が弱っていることが梨状筋の張りと硬さにつながっているので、スクワットをしてください、と言いました。「お尻のストレッチの理由がわかったので、きちんとやります。スクワットも始めます」と男性は力強く答えました。加齢に伴う体の衰えを少しでも防止するために、私が取り組んでいることは次回に。

 

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時間はたっぷりあるのだが、リハビリをする気が起こらない

2017-03-28 09:35:06 | 健康・病気

右の肩鎖関節脱臼と鎖骨にひびが入った後療もあって、70代前半の男性が来院されています。肩関節の周辺の筋肉を緩め、肩関節の可動域を広げる手技などをしたあと、腹筋台に左の片膝をのせて、500ミリリットルのペットボトルを右手でもって前後に振る「アイロン体操」をしてもらいます。続いて、壁に直角に立って、頭の上に伸ばした右手を壁にあて、両膝を軽く曲げて肩関節を伸ばす「壁押し体操」をしてもらっています。

どちらも、肩鎖関節脱臼で三角巾で固定する期間が続いたことから起こる、肩関節の周辺の筋肉の拘縮を改善し、肩関節の可動域を広げるものです。男性が初めて来院されたとき、「自宅でできる体操ですから、ぜひ続けてください。風呂上がりの筋肉が柔らかく、血液の循環がよくなったときに行うと効果が大きいです」と伝えました。

2回目に来られたとき、「アイロン体操や壁押し体操はやっていますね」と尋ねますと、男性は「ええ、まあ」と口を濁します。

それで、何回か来られた後に、同じ質問をしますと、男性は「仕事もしていませんし、時間はたっぷりあります。でも、リハビリをする気が起こらないのです」といいます。

「回復が遅れますが、必ずよくなりますから」と話し、来られたとき、私の目の前で、アイロン体操10回、壁押し体操30秒をしてもらうことにしました。その成果もあって、初めは右手が60度しか横に上がらなかったのが、今では頭の上まで楽に上がるようになりました。「継続は力」とわかっていても、続けることは確かに難しいのです。

 

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筋力の衰えから、二の腕の疼痛に

2017-03-27 09:36:05 | 健康・病気

腰の打撲で施療している80代半ばの女性が、左手で入口のドアを押して入ってくるなり、「右の二の腕が痛くて上がらない。何もしてへんのに、なんでやろ」といいます。

触診してみますと、肩甲骨の後ろ側の棘下筋、棘上筋を触ると、強い痛みを訴えます。右の上腕三頭筋を押圧しますと「痛い」と訴えました。棘下筋は肩を外側にそらす外旋させる筋肉です。棘上筋は肩を外側に開く外転筋です。上腕三頭筋は腕を後ろに引くときに使う筋肉です。

女性は一人暮らしで、料理はしますが、掃除したり、洗濯ものを干したりする作業はヘルパーさんに任せています。重いものを持つことは滅多にありません。腕の筋肉は毎日、使わなければならないことから、体のほかのところの筋肉より衰えるのが遅いとされますが、それでも20~30歳のときより、20~30%落ちるといわれます。肩や腕を鍛える運動をしなければ、それだけ落ちてしまうのです。

女性はやや猫背です。こうした姿勢で過ごすことが多いようです。猫背は肩を内側に曲げる「巻き肩」になり、棘下筋を緊張した状態になります。棘上筋、上腕三頭筋の衰えに、棘下筋の強い張りと疼痛が二の腕の疼痛につながった、と評価しました。

棘下筋、棘上筋など患部の筋肉を緩め、肩関節の動きをよくする手技をしたところ、痛みはなくなり、腕を上げることができるようになりました。女性には、肩関節を広げる壁押し体操をするようにいいました。

 

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「父親の介護で会社を辞めます」

2017-03-24 10:26:11 | 健康・病気

不動産会社に勤める40代の女性から電話があり、「父親の介護で会社を辞めることになりました。いろいろとお世話になりました」と告げられました。

伺うと、兵庫県に住む80代初めの父親が認知症になり、母親が世話をしてきたが、難しくなってきたので、大阪に住む女性が両親を引き取り、介護をすることになったといいます。近くに兄や妹が居住しているので、3人が交代で親の世話をするそうです。

「お父さんの症状はよくなることはないでしょうから、介護保険を上手に利用してください。そして、無理せずに、息抜き、手抜きを忘れないでください」といいますと、女性は「兄妹3人で協力してやります」と話しました。

身近なところにも「介護退職」が現れてきました。厚労省の調査によると、65歳以上で認知症の人は約460万人で、7人に1人が認知症という計算になります。これに、認知症の前症状の軽度認知障害の約400万人を加えると、約4人に1人が認知症か、軽度認知障害を患っていることになります。介護退職が周辺に生じるのも、当たり前のことといえるのかもしれません。

私たち団塊の世代が75歳以上になる2025年には認知症の人は、現在の1.5倍の約700万人に達するといいます。65歳以上の5人に1人が認知症というわけです。

介護退職をしなければならない「働き手」は今後、さらに増えることでしょう。介護退職を減らすためには、何をすればよいのか、私にはわかりませんが、働きたい人が親の介護で働けなくなる社会に未来がないことは理解できます。

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