70代前半の女性が息せきって飛び込んでこられました。「ああ、苦しい。こんなに走ったのは何十年ぶり」とおっしゃいます。この女性は両脚が上がりにくく、少し歩くと疲れることに悩んでいました。このため、キャリーバッグを杖代わりにして、全力で走るようなことはしていません。
聞きますとーー。亡夫の月命日のお参りで、天王寺のお寺に参拝しました。自宅のある最寄り駅に着いたので、トイレで用を足したあと、キャリーバッグを押して自宅近くまできたとき、多額の現金と預金通帳、印鑑を入れた肩掛けバッグをトイレに忘れたのに気が付きました。
大急ぎで、走って駅に戻りました。ふだんは30分以上かかるのに、10分で走ったといいます。トイレに駆け込むと、バッグはそのままありました。中を点検しましたが、現金も預金通帳も印鑑もありました。「盗られないで、本当によかった。当面の生活費なので、なくなったら、大変なところでした」と胸をなでおろしていました。
私もデーバッグやカバンはトイレに入ったとき、ドアのフックにかけたり、前のスペースに置きます。用を足したあと、「デーバッグ、OK]などと指差しをする指呼点検をするようにしています。そうすると、忘れ物をすることがまずありません。
整骨院を閉めるとき、「ラジオのスイッチ、温水器のスイッチ、看板のスイッチ」などと指呼点検をしてから、引き揚げています。