大阪市内のトレーニングルームで、運動前のストレッチをしようとしたら、マットで股関節を延ばすストレッチをしている高齢男性の体の柔らかさに目を見張りました。60代後半と思われる銀髪の男性ですが、開脚が160度はゆうに開いています。男性は自らの体の柔らかさが自慢らしく、脚を前後に大きく開いたり、開脚して体を前に倒し、胸をつけたり、顔をつけたり、などのストレッチに延々と取り組んでいます。
私も同世代の中では、体が柔らかいと思っていますが、男性には到底かないません。一緒にストレッチをするのは、かなり気が引けるので、離れたところで、静かに取り組んでいました。
やがて、男性は十分な時間をかけてストレッチをしたあと、靴を履いて、トレーニングマシンに向かいました。「やれやれ」と思いながら、開脚して膝に顎先をつけるストレッチをしていると、ランニングマシンから「キュ、キュ」の音が鳴り響きます。足先から、ランニングマシンのベルトにつくから、「キュキュ音」が出るのです。脚が上がってかかとからベルトにつけば、こんな音は出ません。
「ちょこちょこ走り」をしているのは、どんな人か、と思って見ると、くだんの男性でした。大腿四頭筋や前脛骨筋など脚の前側の筋肉がきちんとついていたら、ちょこちょこ走りにはなりません。
人は得意なことは楽しいので、長い時間をかけても苦になりません。半面、不得意なことは苦痛ですから、できればやりたくありません。男性に必要なのは、脚の前面の筋肉を鍛えるエアロバイクに取り組むことです。トレーニングルームにはインストラクターがおりますから、そのうち、そうした指導をしてくれるのでは、と思っています。