ウナギ専門店で料理人をしていた男性は急性心不全で69歳で亡くなりました。1年ほど前から息苦しさを覚えるようになりましたが、「疲れから」と考えていました。体は丈夫で大きな病気はしたことがありませんでした。医者嫌いで、家族が「病院で診てもらったら」と勧めても、「寝れば治る」といって受診しませんでした。
「胸が痛い」と訴え、119番で救急病院に運ばれましたが、病院に到着したときは、心肺停止の状態だったといいます。死後、息子が言うには「親父と歩くと、50メートルも行くと、息が切れた、と言って休んでいた」そうです。「そんな状態だったら、首に縄をつけてでも、病院に連れて行ったのに」と家族は嘆いていました。
心不全の前兆の症状は、息切れとむくみです。とくに、ウナギ料理人の男性のように、息切れから歩くことが難しくなったら、心臓病の専門病院を受診していたら、と思わずにはいられません。
私の母は、心筋こうそくで83歳で亡くなりました。朝食のとき、「胸が痛い」と言って、椅子から崩れ落ちました。救急車がすぐに到着しましたが、すでに心肺停止状態でした。葬儀・告別式で駆けつけた私は、カレンダーの書き込みを見て、びっくりしました。急死する1週間前の日に「胸が死ぬほど痛い」と書かれていました。
その翌日、かかりつけの医院を受診し、心電図を撮りましたが、異常は見つからなかったそうです。心臓の負担を楽にする薬を処方されました。「死ぬほど痛い」と家族が知っていたら、専門病院の受診を勧めていたのに、と悔やまれます。