先週のNHKラジオの健康セミナーで「ヘルスリテラシーを高めるために」をテーマに群星沖縄臨床研修センター長で総合診療医の徳田安春さんが話していました。ヘルスリテラシーは健康を維持し、病気に適切に対応する基本的な知識とスキルを身に着けることといいます。その中で、徳田さんはイギリスの王立アカデミーが提唱している「医師に聞くべき五つの質問」を取り上げていました。五つの質問はーー。
1 この検査や治療は本当に必要ですか
2 この検査や治療によるリスクはどの程度ですか
3 合併症や偶発症はありますか
4 この検査や治療よりも簡便な方法はありますか
5 この検査や治療を受けなかったらどうなるのですか
徳田さんは、これらの質問をしたうえで、自分の判断ができたら、そのことを述べ、医師の意見を聞くとよいといいます。もし、自分の判断ができない場合は、「もし、先生(医師)が私の立場だったら、この検査や治療を受けますか」と尋ねたり、「もし、先生の家族が患者の立場だったら、この検査や治療を受けますか」と質問したりしてはどうか、と勧めています。ほとんどの医師が本音を語ってくれるといいます。
徳田さんは検査や治療にはリスクや副作用があるものですから、疑問があれば、医師に尋ねるべきだと話しています。
さあ、「3時間待って3分診療」といわれる忙しい医師が、五つの質問にきちんと答えてくれるか、は疑問ですが、私の体験では「もし、先生が患者でしたら、この検査や治療を受けますか」の質問にはたいていの医師が答えてくれました。