新聞社のOB・OG会で、隣の席の先輩男性がしみじみした調子で「見ていると元気な人とそうでない人の差が大きいな」と語りました。先輩は新聞社からテレビ会社に転勤し、役員を務めたあと、2年前、退職しました。69歳ですが、長身で髪の毛も白髪が交じってきたとはいえ、見た目は60代前半です。現在は悠々自適の毎日で、週3回、ジムで健康づくりに励んでいるといいます。
確かに、70代になってもさっそうと歩いている人もおれば、杖をついてとぼとぼ歩きの人もおります。立っているのがしんどいので、すぐに腰かけてしまう人も少なくありません。髪も黒々している人(染めているのかもしれませんが)、すっかり禿げあがってしまった人もおります。目が不自由になり、白杖をついている人も、耳が聞こえにくくなり、補聴器をつけている人もいます。病気で入院したり、自宅で療養中の人たちは参加していませんので、比較的元気な人たちが集まってきたのですが、一見しただけで「元気度」にこれほどの差があります。
一人ひとりの顔を見渡しているうち、定年前後に無理を重ねた先輩は年齢より衰えた感じがするのに気づきました。それに比べて、現役時代からマイペースな勤務をしていた先輩は定年後も元気で、あまり変化をしていないように見えます。もちろん、大けがや大病は健康を大きく損ないますので、近年、けがや病で倒れた人たちは年齢よりずっと老けて見えます。
それに、高齢になっても仕事をしている先輩たちはきちんとした身なりをして、最近の世の中の動きにも敏感で、話していて楽しかったです。ボランティアでもよいのですが、元気の秘訣は「きょうよう(今日用事がある)、きょういく(今日行くところがある)」ではないか、と改めて思いました。