口の中には便と同じ量かそれ以上の細菌が存在するって知っていました。かかりつけの歯科医師だった江上一郎さんが書いた「すべての不調は口から始まる」(集英社新書、2020年5月発刊)で初めて知りました。
その本によると、唾液1mlの中には細菌が1億~100億個。とくに歯の表面に付着する歯垢1gの中には1000億~2500億個も存在し、その量はヒトの便1gの細菌数と同じか、それを上回るといわれています。口の中は思いのほか汚い、歯を磨かないと「細菌の巣窟」になるといわれる由縁です。
細菌が増えないようコントロールしているのが唾液です。唾液に含まれるリゾチームには抗菌作用があり、口腔内の常在菌の細胞壁を壊して増え過ぎないようにしているそうです。
このため、唾液の分泌量が減ったり、口腔ケアが不足したりすると、細菌が繁殖してその量が急増します。過剰になった細菌は口腔で活発に活動し、感染症であるむし歯や歯周病を引き起こします。
これを防ぐには、こまめに水分を摂取して唾液が生まれるようにするほか、歯磨きの励行が欠かせません。私は朝昼晩の食後の歯磨き、口の中が乾燥しないようこまめに水分を摂るようにしています。