ところが、折り返し、デスクから電話があり、「誤送信は局として問題なので午後6時30分ごろのNHKテレビのニューステラス関西でお詫びの放送をしますので、ご了承ください」と話しました。「そうなると誤送信した記者は処分の対象になるのでは」と尋ねますと、「東京からの指示もあります。厳しい処分にはならないと思います」ということでした。
ニューステラス関西では「大阪大学医学部附属病院と一般の方に謝罪し、再発防止を徹底します」と放送されました。6時55分のFM大阪の関西ニュースでも同様のお詫びが放送されました。
危機管理の世界では、よく知られている法則にハインリッヒの法則があります。1件の重大なトラブル・災害の裏には29件の軽微なミスがあり、そして300件のヒヤリ・ハットがあるという、あの法則です。
NHKはヒヤリハットの<wbr></wbr>段階で不祥事の芽を摘む誠実な対応、と私は考えましたが、「東京からの指示があり」というデスクの言葉に、大阪を見せしめに全国に注意を呼び掛けたとも感じました。
NHKだけではありませんが、マスコミ各社は東京の自分のところで起こった不祥事には頬かむりするのに、大阪など地方が起こした不祥事にはとりわけ厳しい対応する傾向があります。「気をつけろ、と言えば済む話なのに」との思いもありました。
2日の朝日新聞朝刊に「NHKの誤送信」が載っていました。産経新聞には「NHK大阪放送局が発表した」とありましたから、記者発表したようです。やはり「あってはならない」ことのようです。ただ、「甘ちゃん」と言われるかもしれませんが、私の考えも一つの見識と思っています。とはいえ、上司に「お詫びの記事を書け」と言われたら、すぐに従ってしまう程度の見識ですが‥。