「毎日来なくてもよいのですか」と患者さんによく聞かれます。「2、3日で痛みが取れると思います。運動は続けてくださいね」と言いますと、患者さんは不思議な顔をして「他の整骨院では、毎日来るように言われます」と口を揃えます。
別の患者さんには、腰痛や肩痛を緩和したり予防したりするためのストレッチやトレーニングを身を持って示しますと、「腰や肩の痛みがなくなってしまったら、患者さんが減ってしまうのではないですか」と、経営面での心配もされました。
「医は医なきを期す」といいます。医療関係者は医療を携わる人の必要がなくなるほど、健康な人たちが増えることを望んでいるという意味です。
高齢になっても、運動機能を維持向上させることで、「生活の質」を保つことができます。体をきちんと動かすことで、食事、炊事、清掃、排せつなどの「日常生活の活動」を続けることができます。こうした考えで、運動療法を重視した整骨院を始めましたが、私の考えを理解していただける患者さんは少ないのが現状です。
「患者さんに運動させるのは無理です」と先輩、同輩の柔道整復師に開院前に忠告されましたが、運動療法を続けている患者さんは着実に症状が改善しています。運営面では大変厳しいですが、いましばらくは「運動療法」に取り組もうと思っています。