団塊タケちゃんの施術日記

一人二人生の旅立ち

「7分間、泣かないでね」

2016-12-27 10:05:49 | 健康・病気

京都の友人宅に伺うため、出町柳駅で叡山電鉄に乗ったときのことです。私が乗車して座席に腰を掛けたあと、乳母車と幼い男の子を連れた若いお母さんが隣の席に座りました。自分の前にベビーカーを置き、ゆっくり揺らしながら、赤ちゃんを見ながら言いました。「7分間、泣かないでね」

思わず、私がのぞき込むようにすると、お母さんは乳母車のカバーを上げました。三ヶ月の女の赤ちゃんが大きな目を開いて、私の顔をまじまじと見つめました。そして、ニコッと笑いました。エンジェルスマイルです。「かわいいね」と声をかけました。

母子3人は修学院駅で降りるので、この間の乗車時間が7分間です。赤ちゃんが泣くと迷惑がる乗客がいるため、お母さんは「7分間、泣かないで」と赤ちゃんに呼びかけたのです

私たちの子ども時代は、赤ちゃんが泣くのは当たり前のことで、周囲もとがめるような人たちはいなかったように思います。東京の下町で、おせっかいな人たちが多い街でしたから、泣いている赤ちゃんがいたら、見かけた人があやしに飛んでくるようなところでした。それに、赤ちゃんは泣くことで心肺機能が高まります。強い体をつくるためにも、泣くことが必要なのです。

ストレス社会になったせいでしょうか、「通勤時間帯にベビーカーで乗車するのは非常識」との声が上がります。隣りに保育所や幼稚園ができたら、「子どもの声がうるさい」と反対運動が起こる時代です。幼い子ども、とりわけ赤ちゃんは親の思い通りになりません。それだけでも、大きな育児ストレスになっているうえ、社会の厳しい視線です。若いお母さんはいたたまれません。

私は赤ちゃんに会ったら、できるだけ「かわいいね」と声かけをするようにしています。お母さんの気持ちが少しでも安らぐと聞いたからです。私がそう声をかけると、お母さんは実にうれしそうに微笑みました。若いお母さんが「7分間、泣かないで」とささやかないですむ、温かい社会が来るよう祈っています。

29日は午前の施療をした後、大掃除をします。30日から1月4日まで正月休みを取ります。みなさま、良い年をお迎えください。

 

 

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貯筋の有効期限は30代前半まで

2016-12-26 09:43:08 | 健康・病気

若いときに体をうんと鍛えて、筋肉量を増やしておけば、年を取って筋肉量が減ってきても、AOL(日常の生活動作)には支障がない体力を維持できる、と考えていました。ところが、若いとき、どれだけ筋肉を鍛えて「貯筋」を積み上げても、高齢期まで保持することはできないという結果が出てしまいました。いわく「貯筋の有効期限は30代前半まで」です。

筋肉量のピークは20代がピークといわれ、毎年、0.5~1%ずつ低下するとされます。60代になると、20代に比べ、脚は6~7割、腰が5割、腕や握力は2~3割低下するといわれます。国立長寿医療センター研究所の調査では、40代の筋肉量を100%とした場合、60代になると10%以上落ちます。男性の筋肉量の低下スピードは、女性より大きいといいます。女性は炊事、洗濯、料理、買い物など家事で体を動かすことが男性より多いため、と考えられています。

「一生歩ける! 寝たきりにならないための足腰力」を著した理学療法士の野呂田秀夫さんによると、10代~20代に鍛え上げた筋肉の「維持期限」は30代前半までで、それ以上になると、急激に落ちていくそうです。

スポーツ選手の実感でも、全盛期の筋肉量はあっという間に落ちるといいます。先日放送したNHKラジオ深夜便の「萩本欽一の人間塾」にゲストとして登場した元競輪選手で世界選手権個人スプリントで10連覇を達成した中野浩一さん(61)が、欽ちゃんの質問に答えて「引退したら、半年で脚の筋肉が4割落ちた」と話していました。中野さんが引退をしたのは36歳のときでした。

AOLを維持しようとしたら、いくつになっても、運動しなければならないのです。

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声帯の周辺の筋肉を鍛えなくては

2016-12-23 09:40:31 | 健康・病気

声帯萎縮が起こり、2枚の声帯がきちんと閉まらなくなると、力が入らなくなります。NHKテレビの「ためしてガッテン」で、中高年の男性数人に女性をお姫様抱っこをしてもらいました。全員が楽々とできました。続いて、口笛を吹きながら、お姫様抱っこをしてもらったら、抱き上げられない人が続出しました。

力を入れるとき、声帯をぎゅっと閉じ、肺の中に空気をためて踏ん張りを効かします。それが、口笛を吹くと肺の中の空気を送り出すので、踏ん張りが効かなくなるのです。声帯が萎縮すると、肺の中の空気が漏れだすので、力が入りません。

声帯の周辺の筋肉を鍛える方法は、立って胸の前で手を合わせ、「1、2、3」と短くはっきりと10まで声を出すことです。発声と同時に両手に力を入れて押します。こうして声を出すと同時に、瞬間的に力を入れると、声帯の周りの筋肉を効果的に鍛えることができるそうです。これを2セット、朝晩2回行います。

また、声帯が萎縮しているかどうか、をチェックする方法があります。「アー」という発声が何秒続くかを調べるのです。男性の場合、15秒未満、女性は12秒未満だったら、声帯萎縮と思わなければなりません。私は15秒も続かなかったから、声帯が萎縮しています。

声帯萎縮の状態、チェック方法、予防策などについて、国立病院機構東京医療センター感覚器センターが動画入りで詳しく説明しています(感覚器センター 声帯萎縮 原因と対策 音声事故訓練法)。

「1、2、3」はやりすぎはよくないというので、朝晩2回に留めます。1ヶ月続けると、かすれ声が改善するといいます。加齢に伴い、やらなければならないことが次々増えます。しょうがないなあ、です。

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声帯萎縮は怖い病気を引き起こすかも!

2016-12-22 09:49:49 | 健康・病気

80代半ばの女性が「かすれ声が続いて。風邪だったら移して行けないと思って、来れませんでした」と言って、1か月半ぶりに来院されました。「かすれ声は治りましたか」と尋ねますと、「それが全然治りません。でも熱も咳もありません」と答えました。お医者さんには、のどに痛みがないうえ、熱も咳も血圧にも異常がないので、行ってはいないとのこと。

どうやら、加齢に伴い声帯がやせ、2枚の声帯がきちんと閉じなくなる声帯萎縮を起こしたようです。2枚の声帯の間にすき間ができるため、息が漏れて声がかすれたり、声が続かなくなったりします。

65歳以上の7割の人たちが発症するといわれます。私も1月に風邪を引いたのがきっかけでかすれ声になりました。その症状が2か月も続いたため、耳鼻咽喉科を受診し、のどの奥を診てもらった結果、声帯ポリープも声帯結節もないといわれ、「声帯が炎症を起こしているのでは」と消炎鎮痛剤を処方されました。その後も、かすれ声はいっこうに改善しません。

もう一つの原因と考えられるのが食道がんです。こちらも、人間ドックの内視鏡検査で「異状なし」でした。いよいよ、加齢による声帯萎縮しかないと思い、「加齢では手の打ちようがない」とあきらめていました。

女性のかすれ声で、改めて声帯萎縮を調べてみたら、2枚の声帯がきちんと閉じない状態のままにしていると、唾液が気管に入ってむせたり、肺に異物が侵入して誤嚥性肺炎を起こす恐れがあるといいます。誤嚥性肺炎は高齢者の死因の最上位を占める病気です。あきらめているわけにいかなくなりました。対策は次回に。

 

 

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ののちゃんのおばあさんは70歳なのだ!

2016-12-20 09:39:57 | 健康・病気

朝日新聞の4コマ漫画「ののちゃん」を見て「えっ」と声を上げてしまいました。ののちゃんのおばあさんの山田しげさんが自宅を歩いていてふらつき、「家が傾いているのでは」とつぶやくと、ののちゃんの父山田たかしさん(40歳だそうです)が「築20年、傾いていません。足元がふらついてきたのでは」と返します。そして「築70年」と続けると、しげさんが納得するといった内容でした。

「そうか、ののちゃんのおばあさんは70歳なのか」。年より見守り隊の一員として高齢者宅を回ったり、小高い天狗山をゼイゼイ言いながら登る姿が描かれていましたから、後期高齢の75歳は過ぎているだろうと勝手に思い込んでいました。

それが、私とほぼ同じ年齢だったとは、いやあ、驚きでした。作者のいしいひさいちさんから見た70歳像はしげさんであり、その姿はいしいさんが世の中を観察したり、周囲の人たちから聞いたりして描いているわけですから、社会が見る70歳はしげさんと思い至りました。

調べてみたら、ののちゃんが小学校3年生、兄ののぼる君が中学校2年生、グータラズボラ主婦の母のまつ子さんが40歳です。しげさんが70歳なのは当然と言えば当然の設定です。

それにしたら、私の周囲の70歳は若々しくて元気です。市民合唱団に入り、合唱コンサートに出る傍ら、ピアノとヴァイオリンの練習を始めた男性、日本の島巡りをする一方、四国八十八か所巡りを終え、西国三十三か所巡礼の旅を続ける男性、日本舞踊の名取として教え子を育てている女性などなどです。私もその一員と考えていました。

「世間が見る70歳は、しげさんなのだ」という認識した一方、「年寄りの冷や水、といわれるような言動は慎もう」と思った次第です。

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