タケちゃんが一過性脳虚血発作に見舞われたのは40歳のときでした。年末の政府予算取材で深夜勤務が続いたうえ、忘年会、新年会が重なりました。宴会は大好きなので、できる限り都合をつけて参加しました。睡眠不足と深酒がたたりました。
大阪市議会の議長との会食で、昼過ぎ、カレーライスを食べたときです。目の前の景色が突然、縦に揺れ出しました。目をつぶって少したつと治まりました。なんとかカレーライスを食べ終え、食後のコーヒーが出てきました。一口飲んだら、まためまいが起こりました。周囲や広報の人たちの了解を取り、「気分がすぐれないので」と言って退席しました。
市役所の診療所で診てもらったところ、ふだん130台の血圧が160台もあり、医師の診断は「過労から体調を崩したのでは」でした。同行した後輩記者が「ただの過労ですか」と声を上げたのをベッドで聞きました。記者クラブのベッド(当時は仮眠用のベッドがありました)でしばらく横になったあと、上司のデスクに連絡して、タクシーで自宅に帰りました。
自宅近くの病院の循環器病の専門医を受診し、血圧、心電図などの検査を受けました。医師の診断が、一過性脳虚血発作(TIA)でした。入院する必要はないとのことで、会社には1週間の自宅療養を認めてもらいました。
めまいは時折発症しました。私のは浮遊性のめまいで、景色が上下に揺れます。大きな地震にあった感じで、思わず目をつぶり、治まるのを待ちます。私の場合は血圧が上昇したときに起こるようでした。