団塊タケちゃんの施術日記

一人二人生の旅立ち

舌苔がびっしりでは味がわかりませんよ

2020-01-31 11:01:19 | 健康・病気

70代後半の女性は1年ほど前、脳こうそくを患いました。左脳に血栓がたまり、血栓を溶かす薬を注入されましたが、一時意識不明になりました。3日後、目覚めたら、普通に言葉が出たので、医師がびっくりしたといいます。右の手足に当初はマヒ症状がありましたが、今では気にならないほど回復しました。

ところが、脳こうそくになってから、料理の味がわからなくなったそうです。確かに味覚を感知する味覚野は脳にありますから、脳細胞がダメージを受ければ、味覚障害が起こるかもしれません。

でも、女性の脳こうそくは軽度でしたから、脳細胞が大きなダメージを受けたとは考えられません。味覚は舌の味蕾で感じるものですから、「舌を出してください」と言いました。

女性の舌には、舌のコケといわれる舌苔がびっしりはりつき、舌の表面は真っ白です。これでは味蕾が感知することが難しいです。

舌ブラシを購入して、舌苔を取り除くように伝えました。舌ブラシは味蕾を傷つけないよう、なでるように除去する方法を示しました。

数日たって訪れた女性に聞きますと、「味覚が戻ってきました」とうれしそうに答えました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

柄になく ピアノ習って じんましん

2020-01-30 09:20:00 | 健康・病気

大学時代の友人男性から届いた年賀状に一句が添えられていました。

柄になく ピアノ習って じんましん

70代を超えて初めてピアノに挑戦したのか、とびっくりです。公認会計士として今も現役で仕事をしています。楽器をやっていたことは聞いていませんでしたが、クラッシック音楽が好きでしたので、高齢期に入って、若い時の夢を実現しようと思ったようです。

音楽と言えば、数年前からヴァイオリンを習い始めた男性は70代半ばにして、2月2日に京都で開かれる演奏会で、シャルル・グノー作曲の「アヴェ・マリア」を演奏すると聞きました。

グノーのアヴェ・マリアはバッハの「平均律クラヴィーア曲集 第一巻 第一番 ハ長調プレリュード」の伴奏部分をほぼそのまま流用し、それに自らの旋律をのせた作品です。その旋律は美しく、歌曲やヴァイオリンでよく演奏されます。

男性は「バッハの曲がベースになっているので同じような音階が音程をかえて次々と続くので演奏が難しい」と話していましたが、やる気は十分です。

「創めることを忘れなければ、人は若さを保つことができる」と言います。友人に見習って、今年は何を始めようか、と私も考えています。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

便秘に下痢止め薬はあきまへん!

2020-01-28 09:35:48 | 健康・病気

80歳前の女性は3日もお通じがないといいます。もともと運動嫌いですから、腹圧は弱いので押し出す力はあまりありません。食べ物の好き嫌いが激しく、牛乳やチーズなどの乳製品、植物繊維の多い野菜も口にしません。

「薬を飲んでいるのに、いっこうに効かない」と言います。薬の名前を聞いてびっくりしました。「正露丸を毎日飲んでいる」というのです。

「正露丸はどんな薬か知っていますか」と問いかけますと、「お腹を整えてくれる薬」と答えます。「正露丸は下痢止めの薬ですよ」と思わず叫んでしまいました。便秘に下痢止め薬を服用すれば、ますます便秘がひどくなります。

薬の効用をきちんと読めば、服用してよいかがわかると思うのですが、その程度の薬の知識がない人がいるのですね。

毒掃丸を飲めば、便秘がさらにひどくなることを説明して、やめるよう伝えました。

翌日、来られた女性は「便が出ました」。やれやれです。

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

この世のなる間は 楽しくをあらな

2020-01-27 09:35:24 | 健康・病気

高校時代の友人の男性から、今年の旅行計画のメールが届きました。その最後に、大伴旅人の歌が添えられていました。

生ける者 ついにも死ぬる ものにあれば この世なる間(ま)は 楽しくをあらな

生きているものは最後に必ず死ぬのだから、せめてこの世にいる間は楽しくしたいものだ、とうたっています。

九州の大宰府長官として赴任した大伴旅人は、歌人の山上憶良らと歌会を開いたとき、酒を讃(ほ)むる歌として詠んだ13首の一つといいます。

当時、旅人は大宰府に一緒に来た妻を亡くし、その悲嘆と失望を酒でまぎらわそうと詠んだ句という説明もありました。

団塊世代の男性は72歳。メールには「人生も残り少なくなりました」との文言もありました。平均寿命を考えれば、旅行できるのも、あと数年でしょう。「この世にいる間は、楽しいことをしたい」という呼びかけでしょう。

冠句の号を「旅人」にしていた宗匠は肝臓がんのため、66歳で亡くなりました。私も年々、この世にいる友人・知人より「あの世に逝った人たち」が増えてきました。

「この世なる間は 楽しくをあらな」を心がけて生きていこうと考えています。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「パンツを引き上げられるようになりました」

2020-01-24 09:59:50 | 健康・病気

70代前半の男性は2年前、脳こうそくを発症し、左半身がマヒするようになりました。一時はベッドからそばに置いた車いすに一人では行くことができず、ヘルパーさんの介助が必要でした。大手病院のリハビリセンターに通い、今では一人で歩けるまで回復しました。

とはいえ、手で細かいものをつかむといった巧緻作業はなかなかうまくできません。おはじきをひっくり返したり、小豆を親指と人差し指、続いて親指と中指、親指と薬指、親指と小指でつまんだりする訓練を続けました。

おはじきをひっくり返せるようになったら、次は一円玉です。一円玉をつまんでひっくり返すことができたとき、親指と人差し指の爪があたり、丸い円をつくれるようになりました。それまでは指先の腹と腹でしか重ね合わすことができなかったのです。

指先の腹と腹を重ねることしかできないときは、パンツをきちんと引き上げられず、前後左右がずれたままはいていました。

それが、手の指の爪が重なるようになると、パンツのゴムのところに指の先がかかることから、思うように引き上げることができるようになったといいます。

健常なときは何気なくできる動作がマヒが起こると、できなくなります。でも、ちゃんとリハビリをすれば、少しずつかもしれませんが、機能は戻ってきます。左利きの男性の次の目標は、左手で箸が使えるようになることだといいます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする