大阪市でマンションの建設ラッシュが続いています。500~600戸という大型マンションもありますが、大半は100坪(330平方メートル)から300坪(990平方メートル)に7~10階建てのペンシルマンションです。利便性の高い都心回帰を当て込んだ業界の思惑や相続税対策が背景にあるといわれています。
整骨院近くでは、煉瓦塀に囲まれた屋敷を取り壊した跡地(約600平方メートル)に大手住宅メーカーによるマンションが建設中です。この屋敷には桜の大木があり、毎春、華やかな花を咲かせていましたが、大木も根こそぎ取り除かれ、今年は見られません。このほか、数か所で敷地いっぱいにマンションを建てる工事が進んでいます。
現在でも、全国で820万戸の空き家があるというのに、こんなに新築マンションをつくったら、新たな空き家を増やすだけではないか、と不安になります。新築の賃貸マンションが最近できましたが、入居者が少なくかなりの空き家があると聞いています。別の賃貸マンションでは完成して1年近くなるというのに、1階の店舗スペースは「テナント募集」の掲示が出たままです。
ここ20年、毎年の着工件数は100万戸~120万戸に上ります。全住宅取引の8割以上が新築の物件で、中古住宅の比率は10%台とされています。欧米では7~9割が中古住宅なのに比べて「新築志向」が極めて大きいのが日本の特徴です。「狭いニッポン、そんなにマンションを建てて大丈夫?」と心配しています。