70代半ばの男性は両耳の聞こえが悪くなりました。とりわけ聞きにくいのが左耳です。このため、電話は右耳で聞くようにしています。70代になったころから、聞こえが悪くなり、年々悪化しているようだといいます。
NHKラジオの健康ライフ「放置すると危険! 耳の病気」で、東京医科大八王子医療センターの小川恭生教授が「加齢性難聴は放置すると認知機能を低下を招く恐れがある」と指摘していました。
小川教授によると、加齢性難聴は文字通り、加齢に伴い内耳にある有毛細胞が減ってくることから生じます。65歳から急増し、3人に1人がなるといわれ、75歳以上になると7割以上に達するそうです。両耳の聞こえが悪くなるのが特徴で、片方の耳が聞こえにくくなる突発性難聴とは異なります。
自分が加齢性難聴を起こしているかどうか、をチェックするには①子どもの歌声など高音域の声が聞き取りにくくなっていないか(私は少年少女合唱団の歌声が聞き取れないことが増えました)②佐藤さん、加藤さんの区別ができるか③聞き返すことが増えていないか④テレビ、ラジオの音量が大きくなっていないか
4項目に該当するところがあれば、耳鼻科医院を受診して検査を受けた方が良いそうです。
小川教授は、加齢性難聴は老化現象ですから、良くなることはないといいます。補聴器で落ちた聴力を補うしかありません。聞こえにくいままで放置すると、認知機能が低下するといわれます。
補聴器は2か月ほどかけて耳と脳を慣らす調整が必要です。このため、小川教授は、日本耳鼻咽喉学会のホームページに載っている補聴器相談員の医師を受診するよう勧めています。そのうえで、認定補聴器医療者が扱う補聴器を購入するよう呼びかけています。