二位は一位の次である。当たり前だろっ!と言わず、まあ、お読み願いたい。^^ 二位の次は三位となるが、三位では今一、喜びが湧かない。喜びが湧くのは百歩譲っても二位までだ。一位はその上がないから、どうしても、どうよっ! 的な上から目線になる訳だ。そこへいくと、二位は一位がいるから少し控(ひか)えめで、それでいて二番目と自負できる誇りも持てたりして、なかなかいいポジションに思える。三位になると、一位も二位も上にいるから、さらに控えめとなり、ちょっと侘しく悲しい地位なのである。やはり、中庸(ちゅうよう)の二位がいいな…と私には思えるのである。そんな訳で、でもないが、ラストから二位となる九十九話の四方山話(よもやまばなし)として二位をタイトルにした次第だ。
※ 二位への思いようには、個人差があります。^^
とある競技場で陸上競技が行われている。走り終えて二位だった選手と、選手コーチとの会話である。
「コーチ! また二位ですよっ!」
「ああ、それは俺も見ていた。二位だったなっ!」
「どうして僕は二位ばかりなんでしょうかっ!」
「そんなこと、俺に訊(き)かれたって分かるかっ! お前は二位に好かれてるんだっ!」
「好かれたくないっ、好かれたくないっ! 僕は一位になりたいんですっ!」
「なりゃ、いいじゃないかっ!」
「そんな無責任なっ! どうしたら、なれますかねぇ~?」
「一に努力、二に努力、三、四がなくて五に努力だろうなっ!」
「なぜ、三、四がないんですっ!!」
「そんなこと、俺が知るかっ!」
「僕の努力が足りないから二位なんですねっ!?」
「まあ、そういうことだ。頑張りなさいっ!」
いつも飲み屋の開店から先を越されて二位に店へ入っていたコーチは、早く競技場を出て一位で店へ駆け込みたいとヤキモキしながら腕を見た。
「こんな時間か…、君、もう帰っていいか!?」
「えっ!? ああ、はいっ!?」
二位は誰もが一位に上がりたい…と思えるチャレンジの地位なのである。^^
九十九話は、つまらない二位の四方山話でした。^^
完
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