水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

足らないユーモア短編集 (91)終息

2022年09月23日 00時00分00秒 | #小説

 物事は終息しなければ一件落着しない。新型コロナ対応も同様で、蔓延(まんえん)防止の予防措置だけでは終息しない。考えが足らない国トップの甘さは、非常に危惧(きぐ)されるところだ。国連の事務総長さんが、もはや戦争状態にある・・と明言された事実を見ても、すでにウイルス対人類の戦いは現実に始まっているのである。映画のターミネーターならいいのだが…。^^
 二人の男がとある喫茶店で話している。お邪魔しないように、少し覗(のぞ)いてみることにしよう。
「もう、そろそろ返してくれると思って電話したんだ。それがなんだっ!? もうひと月待ってくれっ!? 呆(あき)れてものも言えん…」
「言ってるじゃないか…」
「なにっ!?」
「いや、だからさっ! 月一割の利息は、こうしてチャ~~ンと返してるじゃないかっ!」
「それは当然だろっ! これじゃ、いつまでたっても終息せんっ!」
「まあ、そう言いなさんなっ! 国だって俺と変わらんのだから…」
「大きく出たなっ! 国とお前か…。そりゃ、話が違うだろっ? …同じかっ!」
「そうさっ!」
「まっ! その国に俺も住んでんだから、もう半年、待ってやるよっ!? 利息はきっちり、もらうぜっ!」
「はいはいっ! 二次国債でなんとかします…」
「二次国債か…。これじゃ、終息は期待薄だな、ははは…」
 貸し手の男は諦(あきら)め顔で暗く笑った。
 終息することで、次の段階へと進めるのである。初段から飛び越えて九段には、すぐなれない。^^

                   完


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