水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

分からないユーモア短編集 (93)めげない

2020年10月24日 00時00分00秒 | #小説

 物事はどうなるか分からないから当然、失敗は起こる。だが世の中を生きぬくには、それにめげない不屈(ふくつ)の闘志(とうし)が必要だ。とかなんとか言っても、現実は人々を諦(あきら)めさせる社会となっている。例(たと)えば国会がそうで、軍国主義ではないものの、長期の独裁政治が蔓延(はびこ)っている。水が澱(よど)めばプ~~ンと臭(にお)い、腐る(くさ)訳だ。水は綺麗(きれい)なうちに氷(こおり)にするか、流し続けねばダメなのである。まあ、そんな例(たと)えはともかくとして、腐らずめげず、話を続けることにしよう。[下手(へた)なダジャレです。^^]
 どこにでもありそうな、とある普通家庭である。この家庭は確か…いつやらの短編集にも登場しているが、まあそんなことは、どうでもいい。^^
「あなたっ! もうお昼よっ!!」
「いや、もう少しだから、ちょっと待ってくれっ!」
「ったくっ! そんなこと言って、もう12時半よっ!!」
「分かってるっ!」
 夫婦の雲行きが怪(あや)しいのには訳がある。夫がついうっかりガラス戸を倒して割ってしまったのだ。目立たないところだったのが災(わざわ)いして、夫はなんとかしようと障子紙を貼って紛(まぎ)らわそうとした。しかし、その作業が滞(とどこお)り、昼どきになったのである。夫の修理の才の無さが原因だった。だが、それに気づかない夫は昼どきにもかかわらず、なんとかしよう! と、めげないで作業を続けていたのである。それからも小一時間が経過したが、ついにどうにもならなかった。夫は、フゥ~~っと溜め息を一つ吐(つ)くと、作業を断念した。
 よくは分からないが、めげない心も時と場合によりけり・・ということになる。^^

                   完


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