家シリーズ三作。
「如く」とかでお馴染みの三津田作品なんだけど、
ホラーの中にミステリほんのちょっと、ぐらいの割合ですので、
いつもの「ホラー臭漂うミステリ」を期待するとちょっとがっかりするかなー。
三津田作品は「如く」を読むぐらいですが、興味を持ったきっかけは奇を衒ったタイトルと、
「如く」の時にも触れたとおり、村田修氏の手がけたカバーが魅力的だったからなんですね。
今回の家シリーズ三作はイラストレーターの笹井一個さんの手によるモノで、
このシリーズ刊行の事も氏のサイトで知って買い求めたんですよ。
なんで正直なところ、内容への期待<カバー目当てだったことは否定出来ませんが…
三作の中でも禍家・凶宅はセットで。
前後編に分かれていたり、互いに補完しあうようなモノじゃないんですが、
どっちも一冊読んでハイ終わり、とするよりは二冊とも読んだ方が楽しめると思うのですよ。
対照的というワケでもないけど、
01. 主人公の男の子が田舎の家に引っ越す
02. なんか嫌な感じを覚える
03. 引っ越した先で友人ができる
04. 恐ろしい事が色々起こり出す
05. 男の子は怪異に立ち向かうコトを決意する
中盤まではどちらもこういう展開になってて、比較する事で楽しめる点も出てくるかなぁと。
同じテーマで連作にしないとこういう遊びは入れられんかんね。
その辺りがミステリ作家の書くホラーじゃないかな。
含みのある終わり方も共通してるんだけど、回収するのかどうかは…
三作目の災園はホラーよりもミステリの要素が濃いかもね。
というかホラーの臭いがイマイチ薄いんだよなーッ
祭園に引き取られた辺りでオチが読めてしまったのが面白さ半減の要因か。
あとは主役が小1の女の子ってのは無理がありすぎてさすがにダメだったんじゃないかと。
本編よりもカバーの方が不気味でしたねぇ…
もしかするとインパクト勝負なら災園に限らず三作ともカバーの方が勝ちを持っていくかも…
笹井さんは良い仕事をしたんだなぁってコトで一つ。
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