今年の夏(6〜8月)は、全国の平均気温が平年より1・76℃高く、
気象庁が統計を取り始めた1898年から125年の間で、最も暑い夏となりました。
東京で最高気温35℃以上の猛暑日になったのは、過去最多の22日間でした。
昨年までの猛暑日の最多日数は16日間だったので、大幅な記録更新です。
京都では、38日間で1942年の記録を抜きました(いずれも8月31日時点)。
また、札幌では8月23日に最高気温が36.3℃となり、観測史上最も高い気温を更新しました。
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9月になっても、気温が高そうです。
東京では9月2日も最高気温が30℃以上になり、今年72日目の真夏日を観測しました。
これは、2010年の71日間を超えて過去最多の記録ですが、
今後もまだ真夏日の日数は増えそうです。
9月3日は大阪で最高気温が36.4℃まで上がり、9月としては観測史上最も高くなりました。
☆9月は残暑が厳しい傾向
一旦暑さが和らぐ日はあるものの、気象庁の1か月予報によると、この先も残暑が厳しい傾向です。
9月は全国的に、平年より気温が高くなる確率が70%から80%です。
特に、9月15日にかけては、平年よりかなり高くなるでしょう。
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さらに、3か月予報によると、10月も広い範囲で平年より気温が高い予想です。
東北から沖縄・奄美にかけて、平年より気温が高い確率が50%となっています。
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そして、9月の降水量は、東海と西日本で平年並みか多くなるでしょう。
この理由としては、湿った空気が流れ込みやすいことや、
秋雨前線が停滞しやすいことが挙げられます。
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8月31日までの熱帯夜の日数は、東京は45日間、仙台は30日間もありました。
札幌は7日間で、これまでの最多日数は2021年の4日間で、これを更新しています。
では、なぜ気温が高くなったでしょうか。そのメカニズムについて解説します。
1つめは、日本付近への高気圧の張り出しが強かったことです。
この影響で、広範囲が熱い空気に覆われました。
2つめは、偏西風です。この夏、日本付近で偏西風が北側に蛇行し続けていました。
そのため、南の暖気が北日本まで流れ込みやすくなっていたのです。
3つめに、8月前半は台風6号と7号によって熱い空気が流れ込みました。
ことわざ「女心と秋の空」をはじめ、秋は空模様が変わりやすい印象がありませんか?
この理由は台風、秋雨前線、移動性高気圧です。
台風の発生数、日本への接近数、上陸数は、7月から10月にかけて多くなります。
台風の日本への接近数が最も多いのは8月、次いで9月です。
そして、上陸数が最も多いのは9月です。
10月は台風の発生数、接近数、上陸数、いずれも7月から9月と比べると少ないです。
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☆秋雨前線が夏と秋の境界線
秋雨前線は、夏と秋の空気の境界線と考えていただくと、イメージしやすいと思います。
秋雨前線の北側になると気温は低く、南側では気温が高くなります。
また、大陸から移動してくる高気圧に覆われると、爽やかな秋晴れになります。
ただ、移動性の高気圧で数日で離れていってしまうので、長続きしません。
台風が近づくと蒸し暑くなり、高気圧に覆われると
湿度が低くカラッと感じられるため、天気や気温だけでなく、
体感も変わりやすいのが秋です。
夏から秋にかけて、だるい・疲れやすいといった体調不良や
食欲がなくなる「秋バテ」は、こうした変わりやすい天気、気温、体感が影響します。
こまめに天気予報を確認して服装を選んだり、
ゆっくりお風呂に入ったりして、秋バテにならないようにお気をつけください。・・》