夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

定年後の年金生活の中、自宅3キロ範囲を歩き廻り、早や11年半が過ぎ、微苦笑して・・。

2016-04-21 14:41:34 | ささやかな古稀からの思い
私は東京の調布市に住む年金生活の71歳の身であるが、
私たち夫婦は子供に恵まれなかったので、我が家は家内とたった2人だけの家庭であり、
雑木の多い小庭の中で、築後38年を過ぎた古ぼけた一軒屋に住み、自動車もない稀(まれ)な家となっている。

私は2004年(平成16年)の秋、ある民間会社に35年近く勤めて定年退職後、
多々の理由で年金生活を始め、早や12年生となっている。

平素の私の午前中は、年金生活を始めて以来、 平素の買物は自主的に専任者となった私は、
家内の依頼された品物を買い求めに、独りで殆ど毎日スーパー、専門店に買い物に行ったりしている・・。

我が家は世田谷区と狛江市に隣接した調布市の片隅の地域に住み、
最寄駅としては、京王線の場合は、『つつじが丘』、『仙川』の両駅は徒歩15分である。

或いは小田急線の場合は、『喜多見』、『狛江』の両駅は徒歩20分となり、
そして私が長年通勤で利用した『成城学園前』駅は徒歩30分となっているが、
何かしら京王線と小田急線にサンドイッチされたかのような辺鄙(へんぴ)な地域に住んでいる。

このような処で、私の生家も近く私は結婚前後の5年を除き、66年近くこの地に住んでいる。
            

いずれも路線バスの利便性は良いが、年金生活を始めてから原則として散歩も兼ねて、
路線バスを利用することなく、ひたすら歩いたりして、季節のうつろいを享受している。
                                
そして帰宅後も、再び独りで自宅から3キロ以内の住宅街、遊歩道、公園をひたすら歩き廻ったりした。

こうしたことは年金生活が丸11年半過ぎ、早や12年生になっているが、
国内旅行、冠婚葬祭、都心に買物、天候の悪化がない限り、私の午前中の定例行事ようになっている。
            

過ぎし10日に通販として大手旅行会社のクラブツーリズムより、
定期月刊誌の『旅の友』5月号が郵便受入箱に入っていて、
家内が見たりした後、私は翌日に読んだりした。

私たち夫婦の共通趣味は、国内旅行であり、温泉地とか観光名所地に滞在して、周辺を遊学することを好み、
クラブツーリズムの長期フリープランを年金生活の中、10数回ぐらい活用してきた。

或いは自動車の免許書も定年後の更新時に、破棄したので、辺鄙な名所めぐりは、
クラブツーリズムの観光めぐりなどを利用して、私たち夫婦は遊学したりしてきた。

今回、『旅の友』5月号を私は読んだりしている中、海外テーマ特集のひとつとして『上手にリフレッシュ』を主題に、
【名作を生んだ散歩道の風景】と題された記事があった。

『音楽』、『絵画』、『詩』として三つ記事が掲載されていたが、この中のひとつの記事を読み終わった後、
つたない私でも、瞬時に琴線(きんせん)が静かに奏(かな)で始めた・・。

私が魅了されたのは『詩』として紹介された、『イギリス・湖水地方詩人が称えた湖畔の水仙』であった。

無断であるが、転記させて頂く。
            

《・・ベートーヴェンと肩を並べるほどの散歩好きで知られているが、
イギリスを代表するロマン派詩人ウィリアム・ワーズワースだ。

イングランド北西部にある湖水地方は、氷河時代に形成された湖沼郡が点在し、
その景色はイギリスで最も美しいともいわれている。

湖水地方の近くに生まれ育ったワーズワースは、生涯にわたってこの地を散策し続けたことから、
『湖畔詩人』とも呼ばれている。

谷また丘の空高く
ひとり漂う雲のごと
さまようわれのふと見しは
群れ集いたる黄水仙
湖水のほとり木々の下
風にひらめき踊るなり

これはワーズワースの代表作『水仙』の一節。

緩やかな谷と丘が連なる湖水地方の、アルズウォーター湖付近を妹のドロシーと散策していた時、
黄金色に輝く水仙の花の群れと出会った瞬間の感動を綴った名詩だ。

彼は山や湖畔の小道、小さな町の田舎道を、何十キロでも平気で歩いたという。
            

そぞろ歩きをしながら周囲の自然と心を通わせて、詩を作っては、
あとで書き留めるために必死で暗誦していた。

『序曲』(1805年)の中で、
「・・毎日毎日私は、さまよい歩いた。
安んじてもの思いにふけることができる道を」

と散歩へ愛を語ったほどで、雨の日には傘を持ち、
濡れにくい道を足早に行ったり来たりしていたという。

悠久の時を超えて美しい風景と出会える湖水地方の山々や湖沿いの小道は、
彼が情緒豊かな詩を生み出すアイデアの宝庫だったのだろう・・》
            

私はイギリスの湖水地方には訪れたことはないが、確か20年前の頃、
NHKのBSに於いて、湖水地方について連続番組を視聴し、少しだけ情景は学んだりした。

そして肝要のイギリスを代表するワーズワースには、何かと海外文学に苦手な私は、
詩にも素養がなく、恥ずかしながら無知なひとりである。

たったひとつ記憶しているは、私が高校2年生の下校時、映画館に立ち寄って観た作品からであった。

エリア・カザン監督の『草原の輝き』(1961年)で、ナタリー・ウッドが扮する高校女学生が、
教室で詩を朗読するシーンであった。

草原の輝き
花の栄光
再びそれは還(かえ)らずとも
なげくなかれ
その奥に秘めたる
力を見出すべし

私はストリーに涙ぐみ、そしてこの詩には瞬時に魅せられ、そして二回目を見て、
字幕スーパーを薄暗い座席でノ-トに書き留めて、
詩を創られた御方が、ワーズワースと知り、私は17歳の時であった。
            

私は後年になると、ワーズワースも波乱に満ちた人生航路を歩んだと学んだが、
もとより詩に託した才能で、後世にも多くの方に敬愛されている人である。

そして私は《・・ワーズワースは、生まれ育った地で、生涯にわたってこの地を散策し続けた・・》に、
つたない私でも、瞬時に琴線(きんせん)が静かに奏(かな)で始めたのであった・・。

私は世田谷区と狛江市に隣接した調布市の片隅の地域に生を受けて、
やがて都心の高校に通学して、都心の底知れぬ魅力に圧倒的に魅了され、通勤を含めて45年ばかり彷徨(さまよ)ったが、
定年後に年金生活を始めて、私の住む3キロ範囲を歩き廻るのが、何よりも心身安らぎを得ている。
            

そしてここ7年、デパートに買物、懇親会、冠婚葬祭などで都心に出れば、
人出の多さに疲れ果て、やがて我が家の最寄駅のひとつ『成城学園前』駅に降り立つと、
何故かしら安堵している。

このような心情を秘めた私は、たとえ時代、住む国と地域、才能も天と地の差があるが、
ワーズワースさんのお気持ち・・少しは理解できますょ、と私は微苦笑を重ねたりしている。

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コメント (2)
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