夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
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《秋の旅路》『みゆき舞ふ 田沢の森 冬の訪れ』~田沢高原滞在記~ 《上》

2014-10-17 09:55:31 | 旅のあれこれ
      序 章  田沢の森は晩秋から冬の訪れとなり

私は東京郊外の調布市に住む年金生活の67歳となった身であるが、
ある有力な通販の旅行会社の雑誌に、
秋田県の田沢湖の高原温泉にある観光ホテルに3連泊する団体滞在型のプランが掲載され、
乳頭温泉郷めぐりもあるので、
私たち夫婦は2011年13日より3泊4日で参加することにした。

私の根底のひとつには、今年の3月の初旬に私たち夫婦は5月中旬頃に、
乳頭温泉郷の各地の温泉めぐりと散策を8泊9日間の予定をしていたが、
3月11日の東日本大震災で東北の各地が甚大な被災となり、やむなく中止したので、
敗者復活戦のような変貌したプランとなった。

東京駅の日本橋口に13日の12時10分に集合し、東北新幹線の『ゆまびこ』で、
12時40分発で盛岡駅に到着した後は、
観光ホテルのご厚意で送迎を受けて、
田沢湖の湖畔より北上した山麓に『プラザホテル山麓』に3連泊する滞在した後は、
16日の盛岡駅発11時10分発で帰京する、
ゆったり出発、早めのお帰り、旅程である。


この田沢湖の湖畔より北上した宿泊の『プラザホテル山麓』の周囲は、
ブナ林を中心とした森の黄色を中核に紅色、朱紅色に染まる錦繍(きんしゅう)は、
今年は10月中旬で迎え、私たちグループが今回訪れたこの時期は、錦繍の時節は終わりを告げて、
落葉樹は冬木立の少し前の状況となり、大枝、小枝も茶褐色に変貌したたわわな葉の情景となり、
地表には落ち葉となり、吹き寄せのようになっていた。

そして到着した翌日の14日は朝の6時は7度、昼下がりは12度、夜の6時は6度、
この地域としては、晩秋の快晴の日中となった。

この後、夕暮れから急激に寒さを増して、雪が舞い降りてきた・・。
そして昨日の15日は、雪が降ったり止んだりし、周辺も雪化粧の情景となり、
俳句の素養のない私でも思わず、
       みゆき舞ふ 田沢の森 冬の訪れ
と詠んだりした。

そして雪の舞い降る中、私たちのグループは、歓声を上げたりしながら、
乳頭温泉郷を訪れ、恵まれた情景のひとときを享受した。


     第一章 初めての乳頭温泉郷は・・。

私たち夫婦が参加した田沢湖の湖畔より北上した山麓にある『プラザホテル山麓』に3連泊し、
滞在する日中の合間に乳頭温泉郷めぐりもあり、
この団体滞在のツアーには、
《 ~人気の秘湯「鶴の湯温泉」も入浴~
 硫黄香る田沢湖高原と
 秘湯「乳頭温泉郷めぐり」4日間 》
と明示されていた。

私は乳頭温泉郷は未知の世界であり、田沢湖から国道341号を北上した先の玉川温泉には、
20数年前に立ち寄り、入浴した体験があったが、
いつの日にか乳頭温泉郷には、と念願していた。

旅立つ前、乳頭温泉郷のひとつ「鶴の湯温泉」の中で、
乳白色の野趣あふれる混浴露天風呂が14日の月曜日は清掃日と知り、
今回の団体滞在のツアーでは、無念ながら機会をなくした、と落胆していた。

私は『プラザホテル山麓』のご厚意で、マイクロバスで乳頭温泉郷めぐりは、
15日の火曜日にして欲しい、と私のいつものような明るい笑顔で懇願してみるのも、
ひとつの方策かしら、と秘かに思い、家内に話したら、
たとえ貴方のお調子者のお願いであっても駄目でしょう、
と家内に笑われてしまったのである。


しかし世の中は、しばし秘かな願いは叶うことがあり、
私たちグループが『プラザホテル山麓』に到着した13日の日曜日の午後5時半過ぎに、
それぞれ一枚の案内書が渡されたのである。

《 14日の月曜日
     乳頭温泉郷『孫六温泉と休暇村乳頭温泉』 ご案内

     当ホテル・出発9時45分 ~ 孫六温泉10時・着 ~ 入浴(滞在時間60分) ~
     孫六温泉11時・発  ~ 休暇村乳頭温泉11時5分・着 ~ 入浴と昼食(滞在時間約100分) ~
     休暇村・出発12時40分 ~当館・着12時55分 》

     
《 15日の火曜日
     乳頭温泉郷『鶴の湯温泉』 ご案内

     当ホテル・出発10時30分 ~ 鶴の湯温泉10時45分・着 ~ 入浴(滞在時間60分) ~
     鶴の湯温泉11時45分・発  ~ 当館・着12時 》

このように明記された案内書であった。

そして、昼食は各自ご自由に、お腹とお財布をご配慮されて、
お好きなほどに、たくさんお召し上がり下さって、
地元も貢献して下さりますに、と私は解釈したりした。


この後、私たち夫婦は指定された部屋に向いながら、
『XXちゃんさぁ・・二日間も案内して下さるなんて・・予想もしていなかったょ・・
格安の旅費なのに・・申し訳ないよねぇ・・
何よりも「鶴の湯温泉」の野趣あふれる露天風呂が入れるので良かったよねぇ・・』
と私は家内に話しかけながら、高揚していた。

この夜、寝付く前に、旅立つ前に自宅でネット調べた『乳頭温泉郷』の情景を思い浮かべたりした・・。
そして缶ビールを呑みながら、果たして初めて訪れる乳頭温泉郷の各地の温泉は・・、
と思い馳せたりしていた。


      第二章 乳頭温泉郷の『孫六温泉』

私たち夫婦が参加した今回の団体滞在のツアーは、
私たちを含めて60代、70代の夫婦が8組、女性の70代のグループの3名、男性独りの60代の2名、
女性独りの60代は1名のメンバーであり、
集合した東京駅では、私は微苦笑したりした。

やはり日曜日の13日から平日の16日まで、田沢湖の高原温泉にある観光ホテルに3連泊し、
乳頭温泉郷めぐりも出来る温泉三昧の旅は、第一線を退かれて、日常生活を過ごされている人たち、
と私も定年退職後は年金生活し、早や8年生を迎えている身なので、
予想通りのメンバーと感じたのである。

到着した翌朝、予定通り宿泊している『プラザホテル山麓』のご厚意で、
マイクロバスで乳頭温泉郷のひとつ『孫六温泉』そして『休暇村乳頭温泉』めぐりに、
朝の9時45分に乗車した。


私は前夜に遅ればせながら、乳頭温泉郷は『休暇村乳頭温泉』を中核に、
『休暇村乳頭温泉』この周辺にそれぞれ独特な個性を持つ温泉宿の『鶴の湯温泉』、『妙乃湯』、『大釜温泉』、
『蟹場温泉』、『孫六温泉 』、『黒湯温泉』が広大なブナ林に点在していることを学んだりしていたが、
ブナ、トチ、クリ、ハンノキなどの落葉樹の中、スギの樹が観られる遥かに広い地域にあると車窓から知った。

まもなく『鶴の湯温泉』の入口を道路の左辺に見たりし、やがて『孫六温泉 』の看板が見えて、
小道を少し入った後、駐車場で私たちグループは下車した。

そしてホテルの方に案内されながら、
私は入浴に必要なタオル、バスタオルを入れたビニール袋を右手に提げて、
私たちのグループは歩き出した。

森の小路を下るような道で、晩秋の柔らかな陽射しを受けながら、
ブナ、トチ、クリ、ハンノキなどの落葉樹のたわわな落ち葉を踏みしめて歩いた。

しかし『孫六温泉 』の建物は観えず、急な坂道を下ったりし、
ご高齢の方たちは大丈夫かしら、と私たち夫婦は言葉を交わしたりしていた。
やがて谷底にあるような『孫六温泉 』のそれぞれの建物が観えてきた・・。

私は混浴の内湯のひとつに入り、同行の男性の60代、70代の4名の方たちと入浴していたが、
女性の4名が入浴してきたので、
やむなく私たち5名は、近くの露天風呂に移動した。

私は程ほどの熱さあれば、温泉の泉質、効能は問わず、
何よりも周辺の情景を優先しなから、解放感を享受するタイプであり、
その上に今回同行した方たちと懇親も兼ねて、談笑を重ねたりした。

そして落葉した幾重かの山脈(やまなみ)に晩秋が過ぎてゆく情景を観たりし、
入浴後は素朴な幾つかの建物に、山里を感じながら心を寄せたりした。


その後、ゆっくり10分ぐらいの坂道を登りながら、駐車場に戻った後は、
私たちのグループはお互いに親近感を増して、
マイクロバスの車内は笑い声をまじえながら言葉を交わしたりした。

尚、余談であるが、今回は宿泊した館内、そして湯処に案内されたりしたので、
写真撮影は禁止が多かったので、写真掲載はできなかった。 
                              《つづく》

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