ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

嘘は責めても、失敗は責めるな

2013-11-01 08:23:12 | 生活

最近、みずほ銀行の反社会的勢力への融資の問題と、阪急阪神ホテルズの食材偽装問題が大きな話題となった。いずれも事実を否定した後に前言を取り消し、事実を認めている。ホテルのほうは社長が辞職をしたにもかかわらず「故意では無い」と主張している。しかし故意では無いと解釈する人は殆どいないだろう。故意だというと刑事罰に相当する恐れがあるので故意では無いと頑張ったようだが、どういう罰かは関係なく事実を正しく認めるべきだと思う。小さなエビをシバエビと呼ぶ習慣は一部にはあったらしい。しかし、スーパーではそのような表示はしてはおらず、明らかに一般常識とかけ離れている。この問題を受けて各方面で調査が始まり、「適切でない表現」があちこちでみつかりはじめた。これは良いことだと思う。

みずほのほうは、隠していた、嘘をついたというより気に留めていなかった、という感じがする。「報告は社長には上がっていない」と報道した翌日、「やはり報告はあがっていた」と訂正したのは、資料に中に入っていたが話題にもならず淡々と終わったので報告されていたという認識が無かったのだと思う。もちろん、やってはいけないことをやっていてそれを見逃したのだから問題である。しかし、悪意は感じられず、この件であまり責め立てるのはどうかと思う。みずほの問題は合併して10年にもなるのに実態はたすき掛け人事とかでばらばらの体質でやっていたことである。しかし、これは企業内の問題で外から口出しをすべき問題では無いと思う。本来ならばそのような銀行は業績が悪化して淘汰されるべきなのに淘汰されない、日本の金融業界の仕組みを問題として考えるべきだろう。

私が報道で苦々しく思っているのは伊豆大島の台風によるがけ崩れで「避難指示を出さなかった」と行政の怠慢を責めている報道である。あれは故意ではなく失敗である。それも結果として失敗だった、という側面が強く、明らかな怠慢と言えるかどうかは疑問だったと思っている。それなのにマスコミ各社は行政の怠慢と言いたて、「人災ではないか」と言ったニュースキャスターまで居た。結果として失敗であったことを責め立てる風潮が日本社会には強いがこれはマスコミの姿勢から来ているのではないかと思っている。

その結果、日本は失敗を恐れる社会になってきている。これは日本の将来にとって大きな問題だと思う。


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