ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

安倍新政権について

2012-12-27 19:45:04 | 東工大

明日はいよいよ退院である。しばらくは節制して体重も落としていこうと思っている。

安倍新政権に対する感想を今日の内に書いておこう。全体的な私の印象は「若い人を取り込みながらも重厚な布陣」という感じでマスコミや多くの人が言っていることと変わらない。やはり自民党は層が厚い、と感じる。昨夜、新閣僚の会見をラジオでうつらうつらしながら聞いていたのだが、その時には、新藤総務相と岸田外務相が弱そうだな、と感じた。

安倍氏の人事能力は野田前総理よりも明らかに高いと思われる。プロセスも少しずつ人事の内容を明らかにするというやり方だったが、それよりも、大きな問題に対して「何々担当」と責任の所在を明確にした点が大きいと私は思っている。かなり時間をかけて準備した結果だと思われる。

政策については外交は選挙中は派手なことを言っていたが実際に総理になってからは方向性のしっかりした現実路線になるだろうと思っている。最大の懸案は経済問題である。会見で「大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略、この3本の矢で行く」と話しておりリーズナブルだと思うのだが、3本目の成長戦略の中身が見えないのが気がかりである。これも多くの人が指摘している。それにしても円安、株高は続いており、これまでのところは成功である。

かなり強気に方向性を発言しておいて実際の進め方は現実路線をとる、というやり方は好ましく感じる。当面は「成長戦略」で何か出てくるのか、言っただけで、実態は国土強靭化の工事ばかりなのか、このあたりを注目して行きたいと思っている。


原子力規制委は責任逃れに走っていないか?

2012-12-27 06:55:49 | 社会

今日は、安倍内閣について書こうと思っていたのだが、昨夜、ラジオを聞いていて東北電力の東原原発に活断層があるかどうか、という原子力規制委員会の議論を聞いていて以前から気になっていたことを書きたい。

「活断層がある」というのは原子力規制委員会によると、何らかの断層が見つかり、「活断層では無いとは証明できない」ということだとしか思えない。「活断層がある」と「活断層が無いとは証明できない」は天と地ほど違うと私には思える。大部分の場所は証明できないのであってこの言い方だと日本の殆どの場所に活断層があるということになってしまうと思う。活断層の定義も原発を建設するときには何万年程度の期間に活動の痕跡がない、という考えだったのが何千万年前までさかのぼる、と変更したと聞いている。

ここから浮かび上がるのは原子力規制委員会の「責任逃れ」の姿勢である。委員会のメンバーは大部分が大学教授だろう。専門家として「安全である」といって問題が起これば責任を問われる。一方、「安全であるとは証明できない」と言っておけば安心である。政府がその結果をどう判断するかは政府の責任になる。責任逃れの心理が働いているとしか私には思えない。しかし、これでは情報は無いに等しい。大量の時間とカネをかけて何をやっているんだ、という思いが私にはある。

自民党は国土強靭化法案というのを出して公共投資をして景気回復の特効薬にしようとしている。しかし、1万年に1度しか起こらないような大災害を想定して、それでも安全な建物、それも利用期間は50年というような建物を設計することは私には馬鹿げていると思える。「どこまでの安全を求めるのか」を確率論を入れてきちんと考えるべきであると思う。

安全というものに対する科学的な考え方が出来上がっておらず、すぐ責任論になるので皆責任逃れをするために過剰設計に走る、という傾向があるように私は思っている。