ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

今年のモバイル10大ニュース

2012-12-30 11:14:22 | 経済

世間はすっかり年末モードである。私も年末モードに入り今年の10大ニュース、それも私の専門性のある無線通信分野の10大ニュースをここで上げてみたい。

①LTEの急速な普及
  LTEの普及速度は私の予想を上回った。 その普及に多気化役割を払ったのはGalaxy S3であるが、決定づけたのはiPhone5の発売だろう。おそらく、2012年末には5000万台が普及していると思う。来年末には1.5億くらいまで普及するのではないかと思う。

②ソフトバンクの積極的な買収
  ソフトバンクは国内でE-mobileを買収したのに続いてアメリカの第3位オペレータSprintを買収した。事業的に成功するかどうはまだ不明だが、その意気やよし。ドコモも見習ってほしいものである。 

③Appleの時価総額が世界の全企業を含めて史上最高に、その後急速にピークアウト
 Appleの時価総額が8月に全産業を含めて史上最高値をつけた。大手企業の一部門としての携帯電話事業にしか加わっていなかった私にとって、携帯電話メーカが単独でExxonやGEなどを超えるというのは 驚異の出来事である。しかし、株価はiPhone5発売後急速にピークアウトしている。Jobs不在の影響でAppleは急速に普通の会社になってきていると思っている。

④IGZOケータイでシャープが巻き返し
  業績不振にあえぐシャープが 半導体の新技術IGZOを使ったIGZOケータイであるZetaで巻き返している。12月に入ってからは連続販売機種のトップである。経営では負けても技術で巻き返す、日本企業の典型だと思う。ただし果たしてどこまで続くか。

⑤スマートフォンの特許紛争に目途が立つ
  AppleとSamsungの特許紛争を始めたして底なしかと思われたスマートフォンの特許紛争が峠を越えた印象である。その理由は標準必須特許に対してFRAND宣言(誰にでもライセンスするという宣言)を行った企業に対してそれを守らせるようにする圧力が国際社会で強まったことにある。これからは裁判ではなくビジネス交渉が中心になるだろう。

⑥ドコモ、ネットワークの不調相次ぐ
  各オペレータに起こっていることだが、特にNTTドコモでネットワークの大規模不調が相次いで総務省から指導を受けている。本来IPネットワークになれば小さな問題は頻発しても大きな問題は生じないはずだと私は思っている。私はドコモのいわゆる「交換屋」の幹部が問題なのではないかとひそかに思っている。

⑦Windows 8、Windows phone 8の発売
  マイクロソフトが巻き返しをかけた新OS、タブレット端末にも対応するPC用OSのWindows 8とそれと連携の強いWindows Phone 8 が発売された。しかし、売り上げはそれほど驚くほどではない。

⑧Samsung、Nokiaを抜いて携帯端末業界の盟主に
  もう随分前のことのような気がするが、Samsungが販売台数で業界トップに立った。しかし、その後に続く中国ベンダの動きが更にSamsungを追い落とすような可能性があると思う。

⑨アメリカ議会、中国ベンダを排除する報告書を提出
  アメリカ下院の情報特別委員会は中国企業であるHuaweiとZTEからインフラ機器やサービスを買うと国家安全上のリスクがある、という報告書を提出した。以前からささやかれていたことだが公式に発表されたのは初めてである

⑩中国のスマートフォン市場で独自の動き
  中国のスマートフォン市場は急拡大しているが、中国ベンダが結構高いシェアを確保している。その中でもインターネット販売に特化した「小米」は注目である