ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

リスクを取るとは

2012-12-14 13:41:41 | 経済

今朝は歩いて自宅からウィトラのオフィスまで行ったのだが着いてみて鍵を忘れてきたことに気が付き歩いて自宅まで戻った。最近こんな忘れ物が増えてきた。時間を無駄にしたのだが、歩いている間にふと「リスクを取るとは」ということが頭に浮かんだ。

日本企業のトップはリスクを取らない、と良く言われる。創業者や同族系会社の社長はリスクを取るがサラリーマン社長はリスクを取らないとも良く言われる。英エコノミスト誌では日本の企業ではプロの経営者が運営する会社より、同族会社のほうがパフォーマンスが良いという驚きの結果があると紹介している。これもリスクを取る姿勢に違いがあるものと思われる。

ある経営者と話した時に、「「リスクを取れ」と良く言われるが博打を打つのが良い訳はない。世間的に見たらリスクを取ったようでも本人はリスクを軽減しており成算があるのが経営者の取るべき判断だ」と言われた。これもなるほどと思う。しかし、私もサラリーマン時代に経営者が部下からの提案に対してあれこれと問題点を指摘し、本当に安全と思われるまでGoをかけない、というような場面は見てきており、問題意識を持っていた。ある段階まで成算が成り立ったら、思い切ってやってみるというのは必要で、それが「リスクを取る」ということだと思う。

ところで、リスクとは何かを考えてみると大きな意思決定をする場合に2種類のリスクがあると思っている。それは、プロジェクト自体が失敗するリスクと、責任が自分にかかってきて自分が不利になるリスクである。前者のリスクは真剣に軽減策を講じるべきだが後者に重きを置くべきではない。しかし人間だからどうしても後者のリスクは気になる。そこで、成功したときは自分の手柄にして失敗したときには他の人に責任を転嫁するように仕組んだりする人が出てくる。こういう判断が失敗に終わる可能性が高いのは当然だと言えるだろう。

同族会社のパフォーマンスが高いのはこういうところから来ているように思う。組織が失敗を許さないように作られていると、当然リスクを取らない、あるいは他人に転嫁するようなことがうまい人が生き残ってくる。官僚組織などはこの体質が強いと思う。ダイナミックな組織では失敗は責任追及するが何度でも再チャレンジ可能なような組織風土を作ることが重要だろう。失敗してみると、以外に失敗してもたいしたことはないとか、あの失敗は大変だったとかいうことが分かってきてリスクの大きさを判断できるようになると思う。

もっとも私自身、リスクを取ってきたかと言われると、小さなリスクしか取らず、大きなところでは安全第一で動いてきたような気もするのだが・・