ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

舞鶴の女子高生殺害事件に対する報道の姿勢

2012-12-12 15:23:30 | 社会

2008年に舞鶴市で女子高生が殺害された事件に対して、一審では無期懲役の判決が出ていたが、弁護側は無罪を主張し、検察は刑が軽すぎるとして双方が控訴していた。その控訴審の判決が出て逆転無罪となった。状況証拠しかなく、自白は警察官の誘導の可能性があるとの理由である。

この判決に対して各紙報道しているが、ネットで見ると読売は「被害者の母「無罪」に嗚咽」、毎日は「被害者の母、号泣」という見出しをつけていた。産経はもっと過激な書き方をしている。今、確認のためにもう一度見たら毎日はこの書き方は取り下げたようである。なぜ被害者の母が無罪判決が出たら泣くのか、それは被告人を真犯人と決めつけているからにほぼ間違いないだろう。しかし、裁判官が無罪としたということは冤罪の可能性もあるということだろう。被害者の母は被告人が真犯人だと思う根拠を持っているのだろうか?

おそらくそうではないだろう。私はマスコミによって作られた犯人像を被害者の母が持ってしまったからだと思う。マスコミは容疑者が逮捕された時点でその人を犯人だと決めつけて報道する。そして公判の過程などで、被告人が真犯人だというイメージを被害者の家族に植え付けてきたのではないかと思う。

これは今回だけでなく、他の事件でも私が感じていることである。被害者の家族は「犯人を極刑にするように」という発言をするようにマスコミに誘導されているような印象を私は持っている。以前書いたノルウェーの銃乱射事件ではどうなのだろう。おそらくマスコミは家族が死刑を求めていると書きたてたりはしていないだろうと思う。そもそも死刑の無い国なので「死刑にすべき」とは言っていないような気がするし、たくさん被害者がいたので被害者の家族のうちの一人くらいは極端な意見を持っている人がいるかもしれないがいたとしてもわざわざその意見を書いたりはしないような気がする。

これに対して、日本のマスコミは、被害者の家族が被告人に対して極刑を求めるということを必要以上に強く報道すると感じるのは私だけだろうか? 日本のマスコミの報道姿勢、特に今回は読売と産経、そして少し毎日の姿勢に疑問を感じる。