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今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

富士下山

2012年08月22日 | 山歩き

下界はあいかわらず暑いので、
日帰りでまた2000m以上の涼しい山に行きたくなった。
候補は決まっていた。
富士山五合目にある古御岳山(2300m)。
ただ、バス停からすぐのここだけなら山歩きにならない。

富士山頂には数年前に行ったし、
今回は日帰りなので、五合目から登り口に下ることにした。
どうせなら、長大な精進湖ルートにしよう(距離23km、標高差1400m)。
富士をひたすら下りるだけなので”富士下山”だ。

下界は晴天だが、富士の中腹に雲がかかって(上写真)、そこは丁度目指す五合目。
自家用車は3時間待ちという渋滞の中、
やっと終点五合目でバスを降り立つと、
雲の中のそこは人でごった返している(右写真)。
気温は17℃。
2000mを越える高所で、こんな人が大勢、しかも外国人もわんさかいる所は他にない。
江戸時代以来の富士講こそ、今ではほとんど廃れているが、
富士は今でも、人びとを惹きつけている。

でも、山頂だけが富士の価値ではないと思う。
そう感じたのは、数年前の富士登山で、御殿場口に下山した時。
裾野の寄生火山の地形が面白く、今後は裾野を歩きたくなった。
今回は、その初回。

精進湖口の下山道ではほとんど人に会わなかった。
火山の裾野なので傾斜は緩く、そのかわり距離が長いので、
下山というより強歩という感じでスタスタ歩いた。
樹林帯なので、視界は効かないが、
木陰で涼しく、カラマツ、ブナなどの原生林を味わうことができる(右写真)。

それに時たま出現する氷穴。
氷穴の入口に立つだけで10℃以下の冷風を浴びる。
単なる風穴ならわかるが、なんで氷のつららが下る氷穴が真夏にあるんだろう。
持参した本の説明によると、
圧縮された空気が穴から地上に出る時に、断熱膨張によって冷却されるのだという。
なんだ、気象現象によくある熱力学現象だ。
そして冷気は重いから、穴の上の軽い暖気と交わることがない(成層が安定)。

富士の裾野はただ広いだけでなく、豊かだ。
五つもの湖があり、滝あり、原生林あり、草原あり、風穴・氷穴がある。
日本に火山はたくさんあれど、これほど多彩な裾野は富士おいてほかにない
(唯一、温泉には乏しいが)。
富士は、山頂だけでなく、膨大な山体すべてに訪れる価値がある。
一度登れば充分という山ではない。
長く付き合っていきたい山だ。


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