日本で地震の危険がある場所は、「首都直下」と「南海トラフ」だけだと思っている人は、まさかいないと思うが、これらの地域以外の人は、自分の住む”ここ”では起きないとたかをくくっているのではないか。
そう思いたくなるほど、これら以外の地域の耐震化(耐震補強)が進んでいない(最優先すべき地震防災は家の耐震化)。
そして、そういう地域に限って地震に遭って、耐震性のない古いビルや重い瓦屋根※の民家が倒壊する(1981年以降の耐震基準を満たしていれば震度7でも倒壊はしない。2000年以降なら尚更)。
※:この2つは地震想定域内では存在してはならないのだが、旅先でよく見かける。
熊本も、大地震の記録がなかったため、耐震基準そのものが緩め(すなわち震度7では倒壊するレベル)になっていた。
そこに震度7の地震が2回襲ってきた(記録がなくても活断層は複数走っていた)。
結果的に、耐震基準を緩くしたことで、被害を大きくしたことになる。
能登半島は、陸地にこそ活断層は見当たらないが、そもそも半島という地形の多くは海側が隆起してできたもの(房総半島、三浦半島も)。
なので海側に地面を隆起させるほどの活断層(逆断層)がある。
次の地震は”ここ”で起きると本気で思っている東京都や静岡県は、地震対策の手を休めない。
その結果、首都直下型地震での東京都の想定死者数は減少し続けている。
言い換えれば、”ここ”で起きると想定していない地域は、他人事なので、被害想定(=地域内のどこがどう危険かのチェック)すらしていない。
防災の第一歩は、災害を自分の問題として本気で受け止めること。
次の地震は自分の居る”ここ”で起きると思うことだ。
本記事タイトルの”ここ”はどこの地かと思ってこの記事を開いた人に、まずは心してほしい。