今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

ChatGPTが詠む俳句

2023年05月22日 | パソコン・メディア

ChatGPTに俳句を作らせてみた。
あえて制限事項を設けて。

梅雨の時季を詠んだ俳句を松尾芭蕉風に作ってください、と依頼してみた。
すると、すかさず以下の句を出してきた。

「蝉の声 聞く梅雨の日 涼風かな」

私が期待した蕉風は「五月雨をあつめてはやし最上川」的なものだったのだが、
五月雨(さみだれ)を梅雨ではなく、五月の雨と勘違いする、すなわち新暦と旧暦の区別がつかない素人レベルであることは判明していた
※:まずGPTに五月の俳句を求めたら、そこで「五月雨」が使われた。

芭蕉らしいのは「蝉の声」(←閑さや岩に染み入る蝉の声)。
ただ17文字になっているが、「涼風」を「すずかぜ」と読むと、五七五ではなく、五七六となって字余り。
また意味的区切りは「蝉の声聞く、梅雨の日、 涼風かな」となり、ますますリズムに合わない。

「蝉」は夏の季語で、梅雨は四季で言えば確かに「夏」に入るが、蝉は雨天では鳴かないし、そもそも梅雨の時分はまだ土の中(ハルゼミを除く)。
すなわち、自然描写としてはあまりに不自然。

時期を違えた盛夏の蝉時雨(せみしぐれ)と梅雨とをあえて重ね合わせる高度な句というわけでもなさそうで、最後の「涼風かな」もとってつけた印象。
要するに「蝉」と「梅雨」と「涼風」をただ並べただけの安易なもの。

もちろん今の AIに含意豊かな詩情を期待してはいない。
むしろ人間では思いつかない(「そうくるか!」という感じの)斬新な言葉の組合せを期待したのだが。

ついでに和歌もつくらせてみたが、五七五七七になっておらず、まったくお話にならぬ出来。

散文でない詩(うた)は、音とリズムをそなえた”音楽”でもあることを無視してはならない(そういう制約を与えてこそ芸術的価値が上る)。
まずは、形だけでも整えてほしいものだ。


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