今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

蕎麦の限界と可能性

2019年06月15日 | 生活

もともと麺類が好きな私だが、健康を第一義とするようになってからは、選択肢から外れる麺類が出てきた。
まずは国民食であるラーメン。
ラーメンは汁(つゆ)こそ命であるはずだが、その汁の塩分が健康に悪い(実際、ラーメンマニアは短命)。
したがって不健康食のレッテルを貼らざるをえない。

ついで、うどん。
精製された小麦でしかない白いうどんは、カロリーこそ蕎麦より低いが、栄養に乏しく、グルテンの塊にしかみえない。

パスタはその点、うどんよりまし(全粒粉ならなおさら)。

麺類の中で栄養的に豊富なの(タンパク質など)は蕎麦である。

麺だけをみると、かくして蕎麦が一番となる。

ところが、

蕎麦を蕎麦として賞味するには、どうしても「もり」に限られる

(もり/かけ、がそばの2大分類。ざる・せいろは、もりの器の名称)。

蕎麦はそれ自体で完成されすぎてしまった(麺そのものの個性が強すぎる)ため、バリエーション化の道が断たれてしまった。 
そして蕎麦単品では、たとえ蕎麦湯を飲んだとしても、一回の”食事”としては栄養バランスは悪い。 

そもそも蕎麦は、もともと小腹が空いた時の軽食(たとえば寝る前の夜食)であって、2もしくは3回の”食事”の対象ではなかった(うどんや素麺も同じで昔は’点心’に分類)。
中華麺もパスタも、本来はコースの中の1つのディッシュであって、それ自体が食事の主役ではないのだが、
これらは、多彩な具と一体になることで、食事として栄養豊かな完全食化が可能である。

私にとっては「五目焼そば」がその最たるもので、中華料理店で注文するのは、もっぱらこれ(具が同じ五目麺は汁=塩分がある分栄養評価に劣る)。 →関連記事「勝利の五目焼そば」
パスタなら、ボロネーゼでもボンゴレでも、サラダを付ければ完全食化できる。

うどんは、丼ものの領域で蕎麦に対してバリエーションの差をつけているし、なんなら「焼きうどん」という手もある
(通常の”焼そば”系は栄養バランスとして五目焼そばに劣るので、”五目焼きうどん”が理想)。

なので、江戸っ子の一人として、外出時には蕎麦を嗜みたいのだが、栄養バランスの悪い食事をしたくないし、
蕎麦通が店で実行する、まず日本酒でちびちびやりながら肴を数点食べて、最後に蕎麦を賞味するという流れは、昼間から飲酒をしない私には栄養以外の点でも不健康に見えてマネできない。

実は蕎麦にも、江戸の昔から「おかめ」や「卵とじ」のような具を重視したものはあった。
冷し中華の蕎麦バージョンのような、いろいろトッピングされた”冷やしぶっかけ蕎麦”のたぐいが、「もり」のバリエーションとして増えてくれればありがたい。